ハッカビーズ
競争とストレスだらけの現代社会で勝ち組に残るには、
疲れなんかオクビにも出さず笑顔で走り続けるっきゃない!!
とはいえ、フトした拍子に、心の奥からホンネがのぞく──
「人生これでいいのか、いったい!?」
そう!その瞬間がホントの幸せへの第一歩になるのかも......。


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「アメリカの災難」「スリー・キングス」で絶賛を浴び、第二のロバート・アルトマンと呼ばれた俊英デビッド・O・ラッセル監督が5年間の沈黙を破り、ジュード・ロウ、ナオミ・ワッツらトップ・スター豪華競演で贈る本作は、悩める現代人に最高のハッピーを約束する新感覚のツイステッド・スーパー(マーケット)・ムービーだ。

 本作が温かな笑いとともに浮き彫りにするのは、「本当の幸せって何?」という、普段は避けて通っているけれどホントは誰もが抱えている疑問。この永遠の問いに向き合うことを余儀なくされてしまった、ちょっぴりエキセントリックな愛すべき人物たちが、気の毒なまでの試行錯誤の末に、それぞれの"結論"にたどりつくまでが、スクリューボール感覚のソフィスティケイテッド・コメディとしてユーモラスに描かれてゆく。

 最大の魅力は、<哲学探偵>、火事を消せない消防士、美しさからの脱皮願望に捉われる美人モデル、自意識過剰のエリート社員、悩めるオタク活動家、そして謎のフランス女と言った、なさそうでありそうな絶妙の設定のキャラクターたち。それをハリウッド&ヨーロッパ映画界の大物スターたちが嬉々として演じ、今まで見たことのないような表情を見せてくれる。

 人生の真実は、ある時は寝袋の暗闇の中に現れる愉快な幻想として、またある時は量子理論に基づいて分解する顔として描かれる。こうした遊び感覚の映像の心地よいズレ具合もまた、本作の楽しさのひとつになっている。

 「A.I.」「アビエイター」の美形スター、ジュード・ロウが演じるのは、キラー・スマイルを武器にバリバリ仕事をこなすハッカビーズ社の花形社員ブラッド。本作で初めて披露したコメディ演技で、新たな魅力を発揮してみせた。

 ブラッドの恋人ドーンを演じるのは「ザ・リング」「21グラム」のナオミ・ワッツ。演技派として近年めきめきと評価を上げている彼女もまた、本作では水着姿でCMに出演するブロンド娘という意外な役柄で驚かせてくれる。

 ハッカビーズ社の開発から自然を保護しようと悪戦苦闘する活動家アルバート役には、「天才マックスの世界」で注目された"コッポラ・ファミリーの最終兵器"ジェイソン・シュワルツマン。彼に惚れ込んだラッセル監督が脚本を当て書きし、本作に主演することになった。
アルバートと意気投合する消防士トミーには「PLANET OF THE APES 猿の惑星」「ブギーナイツ」のマーク・ウォールバーグ。ラッセル監督のお気に入りで、「スリー・キングス」に続いての出演となった。
<哲学探偵>夫妻に扮するのは、アカデミー賞受賞二度の名優ダスティン・ホフマンと、アルトマン、ウディ・アレンといった名監督たちと組んできたコメディ界のトップ女優リリー・トムリン。即興を得意とするベテランのホフマンと、「アメリカの災難」に続いてラッセル監督作は二度目の出演となったトムリンとの絶妙のやり取りは、ハイレベルな笑いを生み出している。
<哲学探偵>の宿敵であるクールでセクシーなフランス人カテリンを演じるのは「ピアニスト」「8人の女たち」のイザベル・ユペール。カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界3大映画祭の主演女優賞を総なめにしているヨーロッパ映画界きっての名女優が、本作では泥まみれのセックスシーンに挑戦して話題を集めた。