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1994年、出版界に衝撃が走った。今でこそ絶大な人気を誇る直木賞作家・京極夏 彦だが、当時はまったく無名の新人作家だった彼のデビュー作「姑獲鳥の夏」が、い
きなり40万部を超えるベストセラーとなったのだ。「ミステリーを超越した、すご い小説が現れた!」という噂は、あっという間に広がった。戦後まもない日本のあや
しげな雰囲気、事件に絡むまがまがしい妖怪、登場人物たちの個性的なキャラクター、 そして最後に待ち受ける度肝を抜く大胆不敵なトリック??。ミステリーファンはも
ちろんのこと、中高生やOLなど、普段はあまりミステリーを読まない女性層からも熱 狂的な支持を受け、たちまち一大ブームとなった。その後、あまりの反響にシリーズ
化され、"京極堂シリーズ"と呼ばれる全8作で、総計400万部を超えるという驚
異的な売り上げを記録、現在も新たなファンを増やし続けている。
第1作「姑獲鳥の夏」は、出版直後から映画化が強く望まれてきたが、その独特な世界
観を映像化することは不可能とされてきた。しかし、現在の日本映画界で考えられる 最高のスタッフ・キャストに恵まれ、ついに映画化が実現する! 舞台は、昭和20
年代末の東京。雑司ヶ谷の由緒正しい大病院にまつわる奇怪な噂が、世間を騒がせて いた。院長の娘が20ヵ月もの間妊娠し、一向に出産する気配がない。しかも、彼女
の夫は1年半前に医院の密室から忽然と消え失せ、いまだに行方不明だというのだ。
しかし、それは聞くも恐ろしい事件の、ほんの入口に過ぎなかった......。
時代を代表する名探偵たち??ホームズ、ポアロ、明智小五郎、金田一耕助に次ぐ、 難事件に挑む新時代の主役は"探偵"ではなかった! "捜査"ではなく"憑物落と
し"で謎を解決する唯一無二の存在、京極堂。何と言っても注目されるのは、彼のキャ スティングだ。古本屋の店主、陰陽師・安倍晴明ゆかりの神社の神主、そして憑物落
としという3つの顔を持ち、クールな容貌に、あらゆる教養に通じる知性をたたえる 京極堂に抜擢されたのは、映画、舞台、テレビと幅広く活躍する堤真一。役柄によっ
てまったく違う顔を見せる演技力で、どんな京極堂を創り出すのか、大いに期待される。 |
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