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【イントロダクション】
世界よこれが俺たちの勝ち方だ。
男の名は、フォ・ユァンジア――現在、世界中に広がる中国武術の創始者にして、ブルース・リーの原点とも言える実在の人物。
そこに描き出されるのは、伝説の英雄と言う綺麗事では決して語り尽くせない、壮絶な人生の物語だ。
「K-1」に代表される現代の格闘技ブームの熱狂へと至る、まぎれもないルーツを見届けろ!
最終決戦に待ち受けるのは、最強の日本人ライバル。中国武侠の気迫と、日本のサムライの魂――同じアジアのSPIRITが
真っ向からぶつかり合うとき、世界はこれまで見たこともない驚愕の[強さ]を知る。
『HERO』『LOVERS』を世に送り出したプロデューサー、ビル・コンが仕掛ける新たなる最強プロジェクト、それがこの『SPIRIT』だ。
ハリウッドで活躍するロニー・ユー監督に、ふたたび中国映画のメガホンを撮ることを決意させ、『グリーン・ディスティニー』『マトリックス』の
アクション監督のユエン・ウーピンに、これまでにないアクションの可能性を切り開いた、渾身のビッグ・プロジェクト。
『HERO』『LOVERS』の衣装デザイナーとして活躍したワダエミもスタッフに加わり、梅林茂が『LOVERS』に続いて音楽を担当。
日本・中国の双方にわたり、世界に名だたる才能が、再びドリーム・チームを作り上げた。
主演は、『HERO』のジェット・リー。『少林寺』以来、30本以上のマーシャル・アーツ作品に輝かしい足跡を刻んできた世界的アクションスターが演じるのは、
ブルース・リーの、そしてジェット・リー自身の原点とも言うべきフォ・ユァンジア。フォの享年と同じ43歳になるまさに今、自らの集大成と位置づけるこの作品で、
ジェット・リーガ最後のマーシャル・アーツに挑む。
そのフォ・ユァンジアと最後の死闘を繰り広げる日本の武術家・田中を演じるのは、『男達の大和・YAMATO』の中村獅童。
武術の達人を演じるためにトレーニングを重ね、自ら志願して中国語にも挑んだ中村は、ジェット・リーと見事に渡り合い、
映画界においても堂々の世界進出を果たした。8歳から武術の道に入ったジェット・リーと、8歳で歌舞伎の初舞台に立った中村獅童。
ひとつの道を極めることのすばらしさを知るふたりは、撮影を離れた舞台裏でも意気投合。お互いを認め合う好敵手を演じるに、これ以上ない顔合わせとなった。
そんな中村が体現するのは、まさしく日本人の誇りそのもの。ジェット・リーと相まみえる白熱の決戦シーンは、この映画最大の見所といえる。さらに、
『ラスト サムライ』の原田正人、『マトリックス』シリーズのコリン・チョウ、『トロイ』のネイサン・ジョーンズと、脇を固める俳優人も見逃せない。
時を越えて受け継がれた、アジアの遺伝子を震わせろ。
私達のSPIRITこそが生み出した、かつてない『強さ』が、
いま、世界を変えていく!
【STORY】
病弱だった少年時代、強さを求めて憧れていた「武」の世界。
フォの父は優れた武術家だったが、息子に同じ道を歩ませることを嫌い、稽古をつけることを拒んだ。
そのことがフォの好奇心をさらに掻き立て、やがてフォは武術のつわものとして名をとどろかせるようになる。しかし名声が高まるにつれ、うぬぼれも強くなっていった。
ある日、フォの弟子がチン(秦)という熟練の武術家と戦い、大けがを負う。頭に血がのぼったフォは弟子の仇をとろうと、渋るチンをけしかけ、苦闘の末に殺してしまう。しかし、家に帰り着いたフォはチンをあやめた代償の大きさを思い知った。最愛の母親と娘が報復の犠牲となり、無残にも殺されていたのだ。
悲しみと罪悪感にさいなまれたフォは天津を離れ、何千キロもさまよい歩いた。すべての望みをなくしていた矢先、フォはスン(孫)おばあさんと盲目の孫娘ユエツー(月慈)に助けられる。ふたりはのどかな山村にフォを連れ帰る。
生きる目的を失ったはずのフォだったが、ふたりの純朴さ、優しさに触れ、徐々に闘志を蘇らせていく。そんな中、フォは[強さ]の本当の意味に気づく。
そして中国武術界に自らの信じる想いを伝えるため、天津に帰る決心をする。
天津ではオブライアンというアメリカの格闘家が、中国の武術家を次々と負かしては「東洋の腰抜けども」と罵倒し、話題をさらっていた。
フォはその巨漢レスターと対戦し、いとも簡単に倒してしまう。中国の外国協会は困惑を隠せなかった。
フォの勝利が国民の反欧感情に火をつけるのではないかと懸念したのだ。当局はフォの気勢をそぐため、4名の外国勢とフォを対決させようと企てる。
いずれの選手も、当時の中国に影響力をもつ国の出身者。幼なじみのノンはこの対戦試合をワナではないかと疑うが、フォは出場を快く承諾する。
そして1000人を超える観衆がかたずを飲んで見守る中、世紀の決戦が幕を開けた。
1910年9月14日、史上初の異種格闘技戦。世界中から集まった屈強な男たち。会場に渦巻く興奮。
しかし、死力を尽くして戦うフォの胸にある思いは、勝者の栄光を掴むこととはまったく無縁の、静かにたぎる情熱だった――!
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