亡国のイージス
20世紀末に出された問いかけに、今、我々はどんな結論を出すのか?

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今、この国の未来に不安を抱かぬ者は一人としていないだろう。未曾有の経済的発展を享受しながら、理想も持たず、国家としての責任能力も自覚せぬまま世界進出を遂げた日本。バブル崩壊が経済を袋小路へと迷い込ませたとき、そこに我々が誇るべきものは何ひとつとして残らなかった。そして、2001年9月11日以降、空虚な理想論など決して許されぬ現実を突きつけられ、我々が見つめることになった未来とはどんなものなのか?あるべき国家の理想とはどんなものだったのか?
1999年、いち早くその問題を突きつけた小説があった・・・その名を「亡国のイージス」。

「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の盾」のこと。同時に、最新鋭の防空システムを搭載し、専守防衛の象徴ともいえる海上自衛隊の護衛艦をも指し示す。だが、語るべき未来も見えず、守るべき国家の顔さえも失った「亡国の盾」に果たして意味などあるのか。この国に生きる者すべてに関わりながら、その誰もが真剣に考えることを避けてきたテーマを、第一級のエンターテイメントへ昇華させた福井晴敏の原作は、それゆえ日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を制覇、58万部を超えるベストセラーとなった。

政府・防衛庁・警察・国際社会を巻き込むダイナミックな展開、洋上のイージス艦を舞台にした前代未聞のアクションなど、そのスケールの壮大さから日本では映像化絶対不可能と思われていた原作が、ついに実現へと動き出す。世紀末の問いかけに、21世紀を迎えた今だからこそ、我々は答えを出さなければならない。
2005年夏、その答えの序章が始まる。

発足50周年を迎える防衛庁、そして海上自衛隊、航空自衛隊の
全面協力を得て、空前のリアリティを実現!原作と脚本に共感した海上自衛隊は「任務に誇りを持つ血の通った人間が描かれている」と史上初となる全面協力を快諾。通常任務に支障がない範囲で訓練に密着した撮影を許可し、さらに会話や通信に登場する用語の監修、敬礼の仕方に至るまで、俳優たちの訓練をも実施した。協力は海上自衛隊だけではない。この作品では航空自衛隊もまた全面協力。最新鋭のF2支援戦闘機による撮影用の離着陸が許可されたうえ、飛行するF2支援戦闘機をT4中等練習機に乗ったカメラマンが追う、高度1万3000フィートでの撮影も可能になった。作品の抱えるテーマと、リアリティを追及する製作側の意向に賛同した防衛庁の全面協力体制によって、ここに"本物"でしかあり得ない空前のリアリティが実現する!