ラヴェンダーの咲く庭で
2人のデイム(DAME:大英帝国勲位受勲者)、
ジュディ・デンチとマギー・スミスが広大な自然に囲まれた
美しいイギリスの海辺の町を舞台に織り成す
大人たちのおとぎ話(フェアリー・テール)




美しい風景を背景に、ふたりの老姉妹の人生を描いた「ラヴェンダーの咲く庭で」の舞台となるのは、1930年代、イギリスのコーンウォール地方。オスカーと英国アカデミー賞、双方の受賞経験があり、OBE、DBEなど大英帝国の勲位を受勲しているイギリスが誇る2人の名女優、ジュディ・デンチとマギー・スミスが、主人公姉妹のアーシュラとジャネットを演じている。何年もこの辺境の地で静かに暮らしてきた初老の姉妹の人生は、ある日、自宅の眼下に見える浜辺に異国の美しいヴァイオリニスト、アンドレア(ダニエル・ブリュール)が漂着してから、ある時は優しく、ある時はほろ苦く、今までにはなかった変化を生んでゆく・・・。まるでヴァイオリンの甘い調べに乗って、美しい挿絵のある小説をめくっていくような感覚にさせられる。イギリスの公開時にはロイヤルプレミア試写が行われ、エリザベス女王も駆けつけた。

アカデミー賞に輝く最高の2大女優の共演

映画、演劇、テレビと幅広い分野で、古典と現代劇をともにこなし、40年以上に渡って、その才能をあますところなく披露してきたジュディ・デンチは、現代最高の女優として、その名声を揺ぎないものとしている。1999年、「恋に落ちたシェイクスピア」で、アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。また、「Qeen Victoria 至上の恋」でヴィクトリア女王を演じ、ゴールデン・グローブ賞を受賞。そして「アイリス」で、英国アカデミー賞の主演女優賞を受賞。他に「ショコラ」でのアカデミー賞助演女優賞ノミネートなど、受賞歴・ノミネート歴は数え切れない実力派中の実力派だ。一方のマギー・スミスは、1952年に"ドラマ・ソサエティ"の舞台で役者デビュー。その後、1956年にニューヨークでプロとしての初舞台を踏み、コメディエンヌとしてデビューした。舞台や映画を中心にキャリアを重ね「ミス・ブロディの青春」で主演女優賞、「カリフォルニア・スイート」で助演女優賞と、2度のアカデミー賞受賞経験を持つ。
CBE、DBEを叙勲し、ジュディ・デンチ同様にデイムの称号を持つ。最近では、「ハリー・ポッター」シリーズで、マクゴナガル教授を演じ、若い世代の観客たちにスリルと感動を与えたのが記憶に新しい。ジュディ・デンチとは数々の舞台や「ムッソリーニとお茶を」「眺めのいい部屋」に続く共演作品となり、気心の知れた仲ならではのコンビネーションを見せている。
今ヨーロッパで一番ホットな存在「グッバイ、レーニン!」のダニエル・ブリューほか、ベテラン俳優チャールズ・ダンスの初監督作品に終結した魅力的なキャストたち才能溢れる若きヴァイオリニストで、ふたりの姉妹の人生を惑わせる青年アンドレアには、「グッバイ、レーニン!」で才能を開花させたドイツの新鋭俳優、ダニエル・ブリュールが選ばれた。彼にとって、デンチとスミスという大女優と共演できるこの栄誉は非常に大きなものであったに違いない。また、姉妹の家の家政婦役で、物語にコミカルなエッセンスを与えるのは、「ハリー・ポッター」シリーズのミリアム・マーゴリーズ。そして、アンドレアをロンドンの大舞台へ連れ去る、姉妹にとっては魔女のような脅威を与える美貌の女流画家に「トゥルーマン・ショー」のナターシャ・マケルホーン、更に、フレディ・ジョーンズやクライヴ・ラッセル、そしてトビー・ジョーンズら、一流の役者陣がこの物語には欠かせない大切な登場人物として集結した。
本作で監督デビューを果たしたチャールズ・ダンスもまた、役者として長いキャリアを誇っており、映画界のトップ・フィルムメイカーたちからの信頼も厚い。まさに、ヨーロッパ一流の俳優たちの信頼とキャリアが生んだ作品と言えるだろう。