四国中央市市議会議員 吉田善三郎  TOP > 議会便り > 2005年6月議会 一般質問



 -- 四国中央市議会 2005年6月議会 一般質問 --
議席番号5番、吉田善三郎です。

おとといの土曜日、地区の「粗大ごみ回収」のボランティアーに参加いたしました。
重いものや大きいものを、トラックの荷台に上げたり、又降ろしたりで、今日になっても、まだ筋肉痛であちこち痛いのですが、地域の壮年会が中心になり、この時期、毎年のように行っております。

当日は、丁度四国地方も梅雨いりした日で、生憎の雨でしたが、30人もの会員が参加致しました。集めて回る車は、メンバーの農家が使っている軽トラックであったり、個人営業の鉄工所の、ロングボディーの2トン車であったり、あとは地元の建設会社のダンプカーを借りてきたりして、総台数13台での回収作業となりました。朝8時半からお昼をはさみ、3時までの間、地域の各家庭とクリーンセンターの間のピストン運行で、多くのごみを回収したのですが、出てきた粗大ごみと言えば、古くなった家具類に、ベッド、布団、タンス、ジュータン、ミシン、ガスレンジ、ゴルフクラブ、乳母車、それに犬小屋もありました。中には、まだまだ使えそうな、あの健康器具のルームランナーが二つも出てきたのには、ビックリしました。もったいない話です。

さらに毎年驚くのは、自転車です。まだまだ使えそうな物も含めて、今年は90台ほどが出てきましたが、2トンのロングボディートラックに天こ盛り積んでも、60台しか積めないんですねえ!それで結局2往復を要しました。なお、このうち3台は、余りにもきれいなので、会員が引き取ったのもあります。

 このほど、ノーベル平和賞を受賞したケニヤ副環境相のワンガリ・マータイさんが提唱する「もったいない運動」が波紋を呼んでおりますが、私たちの身の回りで、もう一度「もったいない」と言う気持ちを思い出す必要があるようです。そうすれば、ごみの量も減るのではないでしょうか。

今回の「粗大ごみ回収」は、市からの補助金なしで、全くのボランティアでしたが、これからは市当局も、こうした運動を大事にし、支援しながら、ごみ減量社会の実現を目指していけば、素晴らしいまちづくりが出来るのではないか、と強く感じた一日でした。
 

それでは、通告に従いまして質問させて頂きます。
最初の質問は、「自治会」あるいは「町内会」について、お伺いいたします。
合併先進地である、私たち四国中央市の井原市長が、施政方針演説の中で述べられている、これからの自治体運営のキーワードのひとつに、「協働」と言う言葉があります。「協力」して「働く」と書く、この言葉の意味は、市民や社会を構成する多様な主体と行政が、それぞれの責任と役割分担を、お互い理解し、助け合い協力しながら、対等の関係で連携して、活動していく事だと、私は理解しておりますが、今後、どのような形で当市の自治体運営に、この「協働」を取り入れていくか、この点については、市長も市民も、職員も議員も、大いに知恵を絞っていかなければいけないと思う訳であります。

そこで私は今回、この「協働のまちづくり」について、考えてみたいと思うのですが、これからの自治体運営は、行政当局だけの力では、大変難しくなって来ている訳で、行政のパートナーとしての、広い意味での市民の参画を頂き、市政を運営していく必要が出て来ているのではないかと思うのです。
では、そのパートナーとしての市民と言うのは、どんな顔を持っているのか。まず、我がまちに広く住んでいる、住民としての市民があります。その他に、NPOや
ボランティア、企業や各種団体など、市民の中には、色々な場面で色々な姿があるわけです。

私はその中で、特に各地区にある「自治会」、「町内会」こそが、大変重要な存在ではなかろうかと思うのです。つまり、市内にある「自治会」、「町内会」とのパートナーシップを、もっともっと良い形に作り上げて行くことが出来たら、そこに素晴らしい「協働のまちづくり」の姿が見えてくるのではないか、と思うのであります。

ここで、お尋ねいたします。

まず最初にお聞きしたいのは、「自治会」あるいは、「町内会」というものを、市当局はどのように認識、あるいは理解されているか、「自治会」とは一体何であるのか、その見解をお聞かせ下さい。

以下、話の進行上、「町内会」を含めた「自治会」と言う事で、話を進めさせて頂きますが、私は「自治会」というのは、地域住民の親睦と地域の発展を願う、その地域に住んでいる人たちの、任意の民間団体であると理解しております。通常は、30戸から100戸程度、団地などになると200戸あるいは250戸が加入する、適度な大きさのコミュニティーを形作っている場合が多いようです。
また、「自治会」は、必要に応じて行政と協力し合う自主独立した地域団体だという事も出来ます。
 一方で、法律的にはどうか。
これについては、「自治会」は任意団体なので、法的には何の規定もされていないようです。
と言うよりも、むしろ戦前、内務省訓令で行政の末端組織として組み込まれ、戦争遂行のエネルギーになったことへの反省から、行政の末端組織として規定されてはならないと言う事が、地方自治法にも明確に謳われております。ですから、「自治会」と言うのは、あくまで自主的な任意なものでありながら、かつ地域を住み安くして行こうと言う組織であり、その目指すべきところは、行政と同じ目標を持った愛すべきパートナーだと思うのですが、市当局の見解をお聞かせ下さい!

 次に、地域団体のことや市民活動の実情を、絶えず把握しておくことは、行政の任務のひとつだろうと思うのですが、現在、市内における「自治会」の実態はどの様なものなのか、旧市町村別の自治会の存在数と組織率は、どのようになっているのかお聞かせ下さい。
 更にお伺いしたいのは、この点は大変に重要なポイントだと思うのですが、市行政と「自治会」との関係は、一体どうあるべきか、その見解をお聞きしたいと思います。

例えば、「自治会」が設立されていない事や、その運営について等、諸々の点に関して、あくまで、その地区住民に任せておくのか、積極的に「自治会」とのコミニケーションを図り、行政を進めていくと言うお考えなのか、その点をお聞きいたします。

 実は「自治会」の中には、形としては出来てはいるものの、その運営面などにおいて、色んな悩み事を抱えていると言う事を良く聞きます。例えば役員のなり手が少ないことに困っているとか、住民の関心が余りなくて加入率が低いとか。又、市内の民間業者が短期間に開発した団地や、市営団地にも自治会はあると思うのですが、その運営面において、色々ご苦労や悩み事があるように聞きます。さらに、そうした自治会の困り事を、市のどこに聞けば良いのか分からないなど、問題点は沢山あるようです。
こうしたことに鑑みて市当局は、もっともっと良い形で自治会という存在に係わって行く必要があると思うのですが如何でしょうか?

 又、広報委員との関係もお聞きしたいのですが、市では現在、広報委員制度を採用して市報の配布等をお願いしているようですが、広報委員と自治会との関係はどのように考えれば良いのか、お答え下さい!

 次に市の窓口についてですが、現在自治会を所轄する市の担当窓口はどこになりますか?スタッフは何人体制でしょうか?そのスタッフの数で十分でしょうか?又、所轄事務、仕事の内容はどういったものになっているでしょうか、お聞きいたします。
 自治会についての最後の質問といたしまして、現在策定中の「自治基本条例」の中に、当然市民との
「協働の街づくり」が謳われると思うのですが、それに関連して「自治会」とのパートナーシップが、条文の中にどの様に入ってくるのか、お考えをお聞かせ下さい。
 
次に、二つ目の質問として、「新麻生プラン」について、お伺いいたします。
5月18日の経済財政諮問会議で、国と地方の税財政を見直す三位一体改革に関する、麻生総務相の新たな提言である「新麻生プラン」が発表されました。
これは、大阪市のヤミ給与問題など、一部の自治体による税金の無駄使いが批判される中、地方の歳出抑制を促すため、地方自治体の財政に関する共通の情報公開制度を今年度中に導入すると言うのが特徴になっているようです。

 ここで、お尋ねいたします

この度、概要が明らかになった「新麻生プラン」の狙いとするところは、どんな点にあると思われますか?又、この中に盛り込まれている、地方財政の情報公開の具体的内容はどういったものなのでしょうか?又「新麻生プラン」を、どの様に評価されるか、お聞き致します。
 現在は、情報公開内容は、自治体の裁量に委ねられていますので、情報公開項目は限られたものになっていると思うのですが、この情報公開制度が今年度中に導入されれば、当市においても、その必要項目の即時情報公開が迫られます。対応は大丈夫でしょうか? その点を、お聞きしたいと思います。
 
次に、最後の三つ目の質問として、広告事業の積極的導入を考えてはどうかと、いう点について、お伺いいたします。
四国中央市の平成17年度予算は、極めて厳しい環境の下で前年度対比16.1%減と言う超緊縮型の323億2000万円で編成され、スタートしておりますが、文字通り苦心の行政運営を余儀なくされているところでございます。
こうした状況を切り抜けていく為、重要なことは、歳出面においては、行政経費の徹底した節減合理化や、事務事業の見直しを図ると同時に、一方で歳入面での自主財源の確保が重要な懸案になると思われます。

こうした中、今年4月、財政難に悩む大阪府の太田房江知事が、2005年度を「広告事業元年」と銘打ち、色々な広告事業の強化に乗り出したと、新聞報道されました。ご他聞にもれず大阪府の起債残高も膨れ上がり、03年度で4兆円を超えている状態の中で、広告事業はせいぜい1億円程度だと言う事ですが、狙いは、収入のプラスアルファーは勿論のこと、職員の意識改革に大きな価値があって、民間の柔軟な発想やコスト意識を導入したい考えがあるようです。
 では大阪府では、どんな広告事業をやっているのか。例えば大阪府の事業としては、歩道橋の塗り替え時に、店舗の道案内を書き込む代わりに、塗り替え費用を広告主の企業が負担すると言う試みや、パスポートセンターの建物の壁を「NTTドコモ」の広告スペースに貸して、年間240万円もの広告収入を稼ぎ出すと言う、アイデアを生かした施策が講じられております。

 次に福岡市の例を申し上げれば、インターネットの市のホームページの中に、企業広告の掲載枠を設け、財源確保の一環としております。福岡市ではHPの広告枠で、住宅会社や葬儀社から年間100万円を越す収入を得ているとの事です。
 ちなみに、福岡市のHPの年間のアクセス数は約124万件と言うことですが、四国中央市も、お聞きしてみると一日約3500件のアクセス数だそうですので、年間にすると同程度のアクセス数が見込まれる訳ですから、広告効果は十分に高いと思われます。

 ここでお伺いいたします。

現在、四国中央市では広告事業で得ている収入はありますか?又、今後この様な広告事業を取り入れていくという計画があれば、お聞かせ下さい。
 今後ますます財政状況の厳しさが予測される中で、大阪府や福岡市の例に見られるように、各自治体では自主財源確保の一環として、知恵を出し、工夫をして苦心の自治体運営をしている姿がうかがえます。

 今後、四国中央市でも市が持っている建物や土地を利用した広告事業、あるいは公用車のボディーや、広報誌の紙面、さらにはインターネットのHPにバナー広告を採用して、少しでも市の収入を増やすことを考えてみては如何でしょうか?
 インターネットHPのバナー広告に関しては、当市で、この夏にも、掲載の計画がある様にも、お聞きしていますが、募集方法や掲載対象、枠数、期間あるいは料金について、もうすでに決まっていることがあれば、お答え願いたいと思います。
又、HPバナー広告による広告事業収入は、どのくらいになるのか、その点も含めてお聞かせ下さい!

 以上で私の質問を終わります。

よろしく、ご答弁をお願いいたします。
ありがとうございました。



 -- 再質問 --
議長!

「新麻生プラン」については、市長からのご答弁有難うございました。「新麻生プラン」は、井原市長が取り組んでいる、当市が目標にしている行政改革の柱と一致すると言う事なので、期待したいと思います。
「自治会」について、再質問をさせていただきますが、自治会との関係に一生懸命になっている事例を、二つほど申し上げたいと思います。一つ目は、今年の3月2日付の埼玉新聞に掲載された、埼玉県鶴ヶ島市の例です。
この鶴ヶ島市と言うのは、人口が68000人で、平成3年に市が誕生しております。ですから市としてはまだまだ若い、新しいまちだと言う事が出来ます。
 新聞には、こう出てます。
「行政が自治会活動を支援 サポーター制度を導入」と見出しがあって、「市職員がお助けします」と大きく書かれております。
その内容は、鶴ヶ島市は新年度から、市職員が自治会活動を支援する「サポーター制度」を導入すると言うものです。職員は自治会の問題解決に尽力し、お祭りなどのイベント活動に積極的に参加することで、市民と行政による協働のまちづくりを目指す、とあります。
 自治会サポーターは大体、部課長級の職員が担当するようですが、サポーターは原則として一自治会に一人を配置し、自治会運営を支援するため相談や助言、協力、問題解決策の検討など活動全般に携わる事になっているようです。
 鶴ヶ島市長は、このサポーター制度導入の意義について、「職員が地域の活動に参加するのは、大変意義深いことであり、市民とのコミュニケーションを図る上でも行政として欠かせない事です」と言っております。
 二つ目の例としまして、自治会活動の「虎の巻」を作った自治体もございます。福岡市では今年の3月に、自治会の活動をサポートする「自治会活動ハンドブック」なるものを作成して、配布しております。
 私も、ここにその写しを手に入れているのですが、表紙には、キャッチフレーズとして「みんなのまちを、みんなで作ろう!」「活動を活発にしよう!」「組織をしっかりと運営しよう!」などと書かれております。中を見てみると、自治会に関してのイロハを実に懇切丁寧に教えてくれています。マンガ入りですから実に楽しく見ることが出来ます。自治会の作り方から始まり、自治会の役割とか、地域活動の必要性とか、会計処理の方法までにわたって、易しく書かれております。この様なハンドブックがあれば、自治会活動に携わる者として、本当に心強いと思いますよね! 
以上、先進地の二つの例を申し上げましたが、この様に、自治会と行政がしっかりと手を携えて文字通り「協働のまちづくり」をしているケースは、大いに参考になると思うんです。
 以上、所見をお伺いしたいのは、一つ目の鶴ヶ島市の例のように、自治会と市の職員の連携が取れないかという点について。あとひとつは福岡市の例のように行政と連携して、「自治会活動ハンドブック」の様なものを作成出来ないか、と言う点についてお聞き致します。如何でしょうか?
 以上、よろしくお願いいたします!


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