四国中央市市議会議員 吉田善三郎  TOP > 議会便り > 2005年9月議会 一般質問



 -- 四国中央市議会 2005年9月議会 一般質問 --

議席番号5番 吉田善三郎です。

昨日実施されました9・11衆議院議員選挙で、日本の新しい形が決まりました。この自民党の圧勝と言う結果は、郵政民営化を起爆剤として、改革を進めていこうという小泉路線が、国民に支持されたと言うことだろうと思います。我々は今後とも、希望の持てる日本の将来に向けて、国政の舵取りを、しっかり見ていく必要があると思います。


さて私は、去る8月2日、松山市で開催された県議長会主催の、「愛媛県市議会議員研修会」に、議員の皆さんと一緒に、出席させて頂きました。愛媛県下から約270人の、市議会議員や議会関係者が参加し、「新しい時代の地方議会」というテーマで、講義を聞きました。講師である四日市大学の竹下教授の、この日のお話は、私にとって、目からうろこの内容で、2時間があっという間であったのを覚えております。

 お話の内容としては、「今の地方議会の本会議での討論は、実質的な討論に、なっていないのではないか」とか、「一般質問は、セレモニー化してはいないか」とか、また「委員会で、議員の間での、丁々発止の議論が聞けない」など、私たち地方議会に対して、なかなか手厳しい指摘ばかりでした。
私は、竹下教授が、この講義を通して、私たち地方議会の危機に対し、警鐘を鳴らしてくれているのだと思いました。
 特にここ数年の間、私たちの地方行政においては、最近よく言われるところの「市民参加」とか、「協働のまちづくり」とか、あるいは「地域審議会」と言った、大きな流れが出来てきております。この様に、地方分権時代が成熟していく中で、こうした流れは大変歓迎すべ状況ですが、ただそうした中で、議員は一体何処に居るの、議員は一体何をしてるの、と言った、議員の存在と役割が、忘れられるような風潮が、表れてきている事も事実です。物騒な「地方議会不要論」さえ出てきています。
 ここで私は理事者に、ひとことお願い申し上げておきたいのですが、行政の重要な政策決定を、私たちに知らせる前に、マスコミに発表する様な事がない様に、これからは、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
が、しかしこれは、私たち議会も議員も、安閑としてはおれませんよと言う事だろうと思うんです。このままでは、行政と市民の間で、その存在すら埋没してしまうのではないか、と心配するのは、私だけではないと思うんです。
では、そうならない為にはどうすれば良いか。
それには、まず我々議員の意識改革が必要です。と同時に、理事者の理解も要るでしょう。そして何より、議会改革と活性化が急務だと思うんです。
そこで私が考えるのは、その議会改革と活性化の一例として、議会での「対面式一問一答方式」などを考えてみるのも、選択肢のひとつではないかと思います。そうする事により、議員も執行部もこれ迄以上に、研鑽が求められるでしょうし、スキルが高まり、効果的な質疑応答になり、議会の機能も今まで以上に高まるはずです。ここ最近、全国的に見ても、この「対面式一問一答方式」を採用する自治体が増えてきている様でございます。さらに、議長による議会招集権付与についても、論議する価値はあると思います。               
ただ、この様な議会運営や審議方法の問題は、今後私たち議員の間で十分に議論を深め、先進地の状況を調査するなどして勉強し、さらに理事者ともしっかり相談をしながら、良い方向性を探っていけばいいのではないかと思います。
以上、8月2日の研修会を通して、感じたことを申し上げさせていただきました。
 

それでは通告に従いまして順次質問させていただきます。    
まず最初の質問は、「分権時代にふさわしい人材の育成」についてであります。
今回の四国中央市の、行政改革大綱(素案)の中に、この「人材育成」が、幾つかの取り組み事項と一緒に、示されておりますが、このテーマは当市の行政改革推進のための、大きい重点事項のひとつでもありますし、又喫緊の課題であると思います。
申すまでもなく、自治体業務を第一線で支えるのは、市職員の方々です。市民ニーズに的確に応え、市民ニーズを先取りするなど、これからは時代の変化に即応できる人材育成が求められます。又効果的、効率的な行財政運営をしていく為には、職員一人ひとりの意識改革を進め、その資質向上に向けての動機付けと、職場の環境整備を図る必要があります。そのためには組織的にも、従来の縦割り行政体質を払拭し、新たな行政課題に即対応できるような、機動性や柔軟性が求められます。


 ここでお伺い致します。先の行政改革大綱(素案)にも書かれているのですが、分権時代にふさわしい人材の育成をするに当たり、「人材育成に関する基本方針」を策定するとあります。この「基本方針」に盛り込まれる根幹の部分、中心になる考え方をお伺い致します。
私は、その基本的方向性としては、地方分権時代を見通し、市民とともに考え、行動し、時代の変化に対応しうる高度な能力を備えた、資質の高い職員の育成を図ることがひとつ。また職員が自分の仕事に意欲と誇りを持ち、持てる能力を最大限に発揮し、かつ自己実現が図れる職場環境や制度の整備にも取り組む事が、基本的な方向性として大事かと考えます。
ここでは、その人材育成の基本方針のベースとなる骨太の部分について、当局の基本的な考え方をお示し下さい。
また、「人材育成に関する基本方針」が策定され、その全容が公表されるのはいつ頃でしょうか、お聞かせください。


次に、人材育成のための人事評価システムの構築を、どの様にされて行くのか、お伺いしたいと思います。
先日行政調査で訪れた岐阜県多治見市では、目標管理による勤務評定制度を導入し、職員一人ひとりの職務目標を明確にし、職員の職務にかける意欲の向上を図っておりました。また昇任試験制度を採用し、意欲と能力のある職員を管理職に昇任させたり、一番驚いたのは部下による上司の評価制度を取り入れていることでした。すべて良いとは限りませんが、参考になればと思います。


次に、職員が生き生きと仕事ができる様な適材適所の配置を、どの様に実施していきますか。これについては、やりたい職務や、新しいプロジェクトチームへの参加希望を受け付ける、公募制度などがありますが、例えば、ほんの一例ですが、図書館での職務の場合、三度の食事より本を読むことが好きで、本のことなら何でも知っている、本に囲まれていることが一番幸せだという人が、図書館での職務を希望されれば、図書館に配属することが、適材適所だと思うんです。その人が司書の資格を持ってればなお良いわけですね。また個人別に資格や特技や得意分野等を登録しておく、「庁内人材バンク」を作るのも面白いのではないかと思います。如何でしょうか。
しかし一方では、将来の幹部候補は、色々な部署を経験することも大事でしょうから、そこは考えて頂きたいと思います。


次に、職員の意識改革に向けた研修の強化と充実のために、どの様に取り組みをされるのか、お伺い致します。これについては、色々な内容の取り組みが考えられますが、ひとつには、先日、当市の合併記念式典に、善通寺の宮下市長さんをお招きして、職員の意識改革について、講義を聞いて学んだ様な、研修会があります。又、民間のものづくりの発想を学び、民間サービスを肌で感じる事が出来る、民間企業への派遣体験研修などを検討してみるのも、面白いのではないかと思います。
これは、油断して業績が下がれば、倒産の可能性がある民間企業からは、コスト意識の重要性や接客の心構えを学ぶことが出来るという事です。私は常々思っているのですが、絶えず競争にさらされている民間企業には、学べる事ならどこからでも学ぼう、何からでも勉強しよう、という意気込みがあります。以前、大手スーパーの店長教育に、銀座の一流スナックのママを招いて、心配りの接客を研修したという話を聞いたことがあります。市の職員の方も、こういう研修ならいくらでも聞きたいのではないでしょうか。
意識改革を進めていく上での、これからの研修の取り組み方法についてお聞かせください。


次に、人材育成の一環として、職員の「政策提案表彰制度」を採用、実施するお考えはありませんか、お聞かせ下さい。
市では昨年の秋一度、職員から行政改革について政策やアイデアを募集した経緯がありますが、このときの応募数や内容はどうだったんでしょうか。結構反応はあったのではないかと思われますが、如何でしょうか。この職員の「政策提案表彰制度」をうまく取り入れて、効果を上げているのが、大阪府と大阪市ではないでしょうか。大阪府と大阪市では、組織のスリム化や業務の効率化についての、政策提案が沢山寄せられ、そのうちの優秀賞とか奨励賞が実際政策に生かされているようです。
 私は思うのですが、現在の四国中央市の1248人の職員の方々というのは、四国中央市の貴重な知的財産だと考えます。パートの方や嘱託の方を含めれば、もっと大きな財産だと言えます。この中から素晴らしいアイデアや提案が沢山出てくるのではないでしょうか。もちろん職員一人個人が考えたアイデアの芽を、個人プレーではなくて、プロジェクトチームを立ち上げて、大きく育てることができたら、もっと素晴らしいことになるのではないでしょうか。職員の皆さんの問題意識を喚起し、やる気というモチベーションを高め、庁舎全体を考える集団とする効果が期待されます。この政策提案表彰を制度として、毎年が難しければ2年に一回でも、定期的に実施出来れば、職員の皆さんにとって楽しみでもあり、意識改革にも繋がるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 以上、「分権時代にふさわしい人材の育成」に関して、その基本方針や主な取り組み項目について、いろいろお聞きして参りました。
よろしく、ご答弁お願いいたします。

 次に二項目目の質問は、同じく「行政改革大綱」に盛り込まれております、「補助金の適正化」についてです。
 補助金というのは、自治体行政にとって、その政策目標を達成するための有効な手段であることから、補助金が適正にかつ効果的に使われているかどうかは、絶えず審査チェックし、再構築されることが望まれます。
 四国中央市に於いて、平成17年度一般会計当初予算に計上されている補助金としては、210件、金額にして約10億300万円と言うことですが、今回補助金の交付先や執行内容、また事業効果など、すべての点において市民に納得のいく説明ができるように審査し、見直しに取り組まれることは大変有意義なことであります。
 

以下、補助金の見直しに関する取り組み方針について、お伺いいたします。
最初にお聞きするのは、今回の補助金の見直しの対象とするのは、「国や県の補助制度に基づき交付しているもの」を除いた全補助金と言うことですが、全補助金件数210のうち、何件が国や県との関連がありますか。また全補助金額のうちいくらが除外金額となるのでしょうか。その結果、今回の見直し件数と、見直し金額がいくらになりますでしょうか、お聞かせ下さい。
 

次に、見直しの基本的なスタンスとして、削減額の目標は設定されるのでしょうか。私は、やはり最初に2割とか3割の削減目標をたてて審査に当たるのと、目標を持たないで評価するのとでは、おのずとその結果に開きが出てくるような気がするのです。また目標数値設定がない施策は、その成果の評価が難しいと言うこともいえます。
さらに、例えば2割ほど削減見直しが出来たら、そのうちの半分を新規事業に充当すると決めていれば、予算立てまでもが出来ると思うのですが、如何でしょうか。

次に補助金の見直しシステムについてお伺いいたします。
先に示された「補助金見直しに関する取り組み方針(案)」によりますと、まず庁内組織として平成17年度に「補助金検討委員会」なるものを作るとあります。この委員会は財務部次長さんをはじめ、庁内幅広く横割りで、経験と知識の豊富な9名の選任次長さんで構成されているので、私は当を得た審査ができるのではないかと、期待するところであります。そして平成18年度に第三者組織として「補助金審査会」を作られる予定ですが、こちらの方も、公平で適切な審査をしていただけるものと確信いたしております。
 問題はここからですが、ここでお尋ねいたします。
補助金見直し概要図を見る限り、「検討委員会」の審査と「審議会」の審査が、それぞれ別々に市長に提言される様になっておりますが、もし両者の評価が大きく分かれた場合、その調整をどのようにしていくのかを、お聞きいたします。
 

次に、「委員会」と「審議会」の両評価結果の市民への公表と、パブリックコメント募集は、どのタイミングで実施して行くのかお伺いいたします。さらに、そのパブリックコメントが、出てきている評価結果に、どのように反映し、まとめて行くのか、併せてお聞き致します。
 

以上で私の質問を終わらせていただきます。適切なるご答弁をよろしくお願い申しあげます。有難うございました。




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