四国中央市市議会議員 吉田善三郎  TOP > 議会便り > 2007年3月議会 一般質問



 -- 四国中央市議会 2007年3月議会 一般質問 --

議席番号 5番、吉田善三郎です。よろしくお願いいたします。


 私は、日々何か当市の収入財源になるものはないかと考えているのですが、その矢先、こんなものを見つけました。「ポスト様、場所代を!」と言う新聞記事です。これはしめしめと思い、この記事を読んでみると、その内容として、今まで公道や公有地に無料で設置されてきた郵便ポストから、「占用料」を徴収する自治体が出始めた、と言うものでした。その理由として、2003年4月の日本郵政公社発足により郵便事業の「官業」の色合いが薄れたことに加え、厳しい財政状況から、少しでも収入を増やしたい自治体の事情がその背景にあるのではないか。さらに今年の2007年10月に郵便事業が民営化されると、今までの特別待遇をなくする自治体がさらに増えそうだと、新聞記事には書かれております。

皆さんご存知のように、電柱の場合だと一本あたり四国電力さんで1000円、NTTさんで930円ほど頂いていて、他の埋設物も含めると二社で年間1860万円と言う大きな占用料が市に入ってきている訳ですから、これはひょっとすると、当市でもポストの本数が沢山あれば、かなりの収入になるのではないかと思い、わくわくしながら当市のポストの数を管理課で調べてもらった訳です。すると、どうでしょう。皆さん!四国中央市の市道などを含め、公有地内にある郵便ポストは、何本あったと思いますか。残念ながらポストの場合は電柱のように公道には一本もなくて、本庁と各支所等にあるだけで、答えは、わずか7本と言う事でした。この時ばかりは、私の思惑が外れてしまい、その心境は、あのギター侍、波田陽区の「ざんね〜ん!」と言うことになってしまいました。がっくりです。
 でも、これに懲りずに、これからも新しい収入財源を探していこうと、気持ちを新たにした次第でございます。


それでは通告に従いまして質問させて頂きます。


まず最初の質問は、「ゼロ予算事業」の創出とその取り組みについて、お伺い致します。


ゼロ予算事業と言う言葉は、まだ余り聞きなれない言葉だと思うのですが、文字通り予算なしで実施する事業で、既存の資産や機能を有効に活用し、職員の知恵と工夫を生かして、市単独あるいは地域との連携によるなどして、きめ細かい住民サービスを提供していく事業であると理解しております。


 ゼロ予算事業と言う考え方を一番最初に導入し、施策としてスタートさせたのは長野県であると聞いておりますが、平成15年度から取り組みを始めている様です。予算がなければ事業が出来ないと言う今までの固定観念を捨てて、職員一人ひとりが県民の皆様が真に求めるサービスのために、意欲を持って創意工夫をしていくと言うこの長野県の取り組みは、今では「信州モデル」と言われ今年度の平成18年度も243ものゼロ予算事業を実施されているようです。
2〜3例を申し上げますと、庁舎等環境整備事業として、庁内の清掃や、雪国ですから冬場の除雪などを、業者に委託することなくゼロ予算でやっていますし、歩道パトロール点検事業として、地区の職員の歩行パトロールによる歩道点検を行い、安全で快適な歩行空間の確保を図ることをしている様です。


 この様な動きは、時事通信社の「地方行政」や日本経済新聞の全国面に大きく掲載されるなど、全国的にも注目を集めておりますが、この流れに呼応した形で、愛媛県でも平成18年度より「えひめのゼロ・チャレンジ」として、新しくゼロ予算事業の施策展開を始めた事は、皆さんもご案内の通りだと思います。


 愛媛県では、職員の技術、経験、知識を生かす形での人材の有効活用事業として、専門技術を有する職員が、自治会や学校等からの要請に応じて、出前講座の講師を務める事業等を、今年度実施している様です。
このゼロ予算事業と言うのは、まだまだなじみが薄く、予算無しで実施することから、事業そのものは決して派手ではありませんが、地道に県民の皆さんのニーズにお答えして行きたいと、愛媛県ではホームページ等を通じて県民に対し、ご理解、ご支援、ご協力を求めているところです。


 又これ等の事業の他に、ある自治体では証明発行・申請代行事業「届ケール」と銘打って、お年寄りや障害者等、庁舎まで出てくることが困難な住民に代わって、住民票交付や、その他申請手続きを近所に住む職員が代行すると言ったゼロ予算事業を実施しているようです。
ひるがえって、当市の財政状況はと言えば、平成19年度一般会計予算の編成方針の中で述べられております様に、財政調整基金が平成18年度末で合併時の5分の1の7億円余りに減少するなど、危機的状態にあると言えます。そうした状況の中での予算編成の対策として、一部に枠配分方式を採用したり、人件費の給与カットの継続や、補助金の1100万円余りの減額、更には全事務事業の見直しをするなどして、平成19年度は正念場の予算編成に、全庁挙げて取り組まれた事だろうと思いますが、なお一層の創意工夫が求められるところだと思います。


 そこで、このように財政状況の厳しい中で、当市においても是非、このゼロ予算事業と言うものを、はっきり意識した形で、しっかりと把握し、当市のサービスの中に取り入れていく必要があるのではないかと、提言申し上げる次第で御座います。
予算無しでどのような事業が出来るのか、お金を使わずとも市民の皆さんに、どの様なサービスが出来るのか、皆で考える必要があります。これに付いては、現在策定途中の自治基本条例の中にも謳われている協働の観点から、市民から広く提案を募集することもひとつの方法でしょう。が何より1200人に余る職員の方々の知恵と、創意工夫によりゼロ予算事業を見つける、また創出して行く事が出来たら、これは何よりも素晴らしいことだと思います。
また、来年度行う事務事業の中に、工夫によってはゼロ予算で出来る事業が在るかも知れません。また現在業者に委任したり、外注したりして予算を使っている既存の事業の中にも、職員が頑張れば出来る事もあるのではないかと思うわけで御座います。事業の洗い直しは当然やるべきでしょう。
ここまで申し上げて、一見、ゼロ予算事業と言うのは職員にだけ負担が掛かるように思えるかもしれませんが、そうではないですね。この様な厳しい財政状況の中で、何と言っても四国中央市には職員1200人の人材が居る。その職員が知恵を持っている。アイデアがある。知識と経験がある。そうした職員が一人ひとり時間の有効活用をするならば、お金を使わなくとも出来る市民サービスを見出していくことは可能だと思うのです。  自ら汗をかき、知恵でもって市民サービスをしていけることは、実に素晴らしいことだと思います。
以上、お金をかけなくてでも出来るゼロ予算事業をひとつのジャンルとして確立し、実施していくことが出来れば、少なからず予算不足の解消にも当然つながってくるでしょう。素晴らしいことだと思うのですが、理事者のお考えをお聞きしたいと思います。


次ぎに、市の平成19年度組織機構に付いてお聞きします。

組織機構図と言った形と組織機構運営と言った両面からおたずねしていきたいと思います。

四国中央市の行政組織機構については、平成16年の合併時以来毎年のように、見直しが行われてきております。そして、4月からは平成19年度の新しい組織機構が、副市長二人制を組み入れて編成されているわけですが、正直申し上げて、部、課の統廃合や部・課名の呼び名が毎年猫の目のように変わり、その所轄事務が変更になったりするので、私達議員でも着いていくのがやっとの思いです。ですから市民の皆さんは、もっと大変だろうと思うんです。その一方で、私は常々感心しているのですが、これ程毎年組織と部署名がクルクル変わっても、着いていける職員の皆さんの順応性には、正直なところ感服しているところであります。ただこれは、合併して間もない当市にとっては、ある程度致し方ないことかな、とも理解しております。


 言うまでもなく市の行政と言うのは、市民の要望に応え、市民の満足が得られる行政サービスを提供する事がその使命ですから、職員の多様な人材や施設等の活用を図り、つまり適材適所に配置し市民の要望が実現できるよう組織機構のあり方を考えていかなければなりません。

 ここでまず最初の質問です。平成19年度から新しく副市長二人制が採用される予定となっており、組織機構の中で配下の部署がそれぞれ二人の副市長に分担されております。この様に所轄部署をふたつのグループに分けた理由はどこにありますか。今までは一人の助役の下にほぼ全ての部署が所轄されておりました。この様に分けて分担しないで、市長の下に二人の副市長を置いて、その下に全ての部署が所轄されると言うスタイルもあると思います。また今回、部署をふたつのグループに分けていますが、その分担基準は一体何処に置かれているのかお伺いしたいと思います。またお二人の副市長さんには、地区別担当と言う意味合いもあるのでしょうか、そのあたりをお伺い致します。


次に今回の組織機構の見直しで、よく市長が言われるところの、行政のスリム化と市民への分かりやすい組織機構が実現できたかどうか、お聞き致します。まず職員数は何人減のスリム化になりますか。次に部署数と階級ですが、例えば平成19年度予定の部、課、係の数は類似団体と比べて多いのか少ないのか。職の呼び名で市長、副市長、部長、次長、課長、課長補佐、専門員、係長、主査と言う階級的呼び名は多過ぎはしないか。また分掌事務については素早く対応できるように権限委譲するなどして、手続きを簡素化するような組織機構になっていっているか。その辺りをお伺いしたいと思います。よく行政は縦割りだと言われ、融通が利かないとか、たらい回しになると言った点が挙げられます。その為にはまず、簡素でスリム化した組織機構が求められるでしょうし、横の繋がりをもったフラット化した融通性の利くものになっているかが、重要なことになります。また部や課の名称が市民に分りやすいかどうか。以前「何でもやる課」とか「すぐやる課」などを新設し好評を得た自治体がありましたが、そこらの工夫があっても面白いのではないでしょうか。


ここでひとつ提言があります。それは、市民に分りやすく親しみの持てる組織とする為には、市民との距離間をちじめる必要があります。そこで、新年度の市報に掲載される組織機構図には、是非、せめて部長さん以上は顔写真を載せて欲しいと思うのですが如何でしょうか。本当は課長さんや公民館長さんの顔写真があれば最高です。実は平成17年の市報四月号には顔写真があって非常に親しみやすかったのですが、平成18年の市報四月号には顔写真はなく、暖かさに掛ける感じが致しました。そこで19年度からは是非掲載をお願いしたいと思います。にこやかな顔写真によって、行政と市民との距離間がぐっと縮まる事請け合いです。よろしくお願いしたい思います。


次に、新年度の組織機構において、特に配属職員数を多くして力を入れる分野はありますか、つまり増員したり減らしたりとメリハリを付けた見直しになっているのかどうか、お伺い致します。市民からの声として時々は聞くのですが、役所には忙しい所と暇な所があるのではないか。忙しいところはメチャ忙しくて、暇なところは、結構ゆっくりしている。そう言った人員配置になっていないでしょうか。部署の仕事にムラがあってはもったいないことです。その当たりの配慮は十分に出来ているのかどうかもお伺いいたします。


最後に、この様にして立派に組み立てた組織機構が有機的に機能するためには、最後は職員の動き、働きにかかっていると思うのですが、その中身、言わば組織機構が生き物のように血が通った、情報が縦横無尽に行きかうような仕組みが出来ているかどうかをお伺いいたします。例えば毎日の仕事、業務をこなしている職員、部員、課員の方の下から上への業務報告のようなものはあるのでしょうか。つまり「ホウレンソウ」と言われる、「報告、連絡、相談」が日報あるいは一週間に一度の週報の様な形で良いと思うのですが、そのようなシステムが出来ているのかどうか。また逆にトップダウンの指示命令は、下までスムーズに届く様な仕組みになっているかどうか、お伺いしたいと思います。毎日の仕事の証しとでも言いましょうか、その足取り、蓄積は一年間もすれば大変な量の情報になるでしょうし、またそれが後々の為の行政運営のノウハウとなると思うんです。市民に判りやすく親しみの持てる組織機構にする為にも、市報等には、組織機構の表向きの形だけではなくて、目に見えない中身、つまり組織運営に付いても「今回の組織機構見直しのねらい」などとして、掲載する必要があるのではないでしょうか。お考えをお聞きしたいと思います。


最後の質問は、新市、四国中央市の「市の花、木、鳥、歌」等の制定についてお伺いいたします。


わが四国中央市も誕生して早いもので、早くも丸3年が経過しようとしております。来年度は初代井原市長の一期目の最後の年を迎えるわけですが、新市としての一体感もかなり深まってきているのではないかと思われます。
さて、新市のシンボルとしての市のマーク、いわゆる「市章」に付いては、いち早く四国中央市の誕生に際して公募し、全国各地から寄せられた1636作品の中から、現在の素晴らしい「市章」が制定されたわけですが、丸3年が経って、私達にもすでに、かなり馴染み深いものになってきていると思います。
私達人間と言うものは、まとまって行こうとする時には、ひとつのシンボルと言うか旗印のようなものを欲しがるものです。
愛媛県下でも今回の平成の大合併で新しく誕生した新市において、ひとつのまちの一体感を醸成していくために、次々とその「シンボル」が決められていっております。


 我が四国中央市も、来年度の平成19年度は、新市が誕生して早くも4年目に入ります。もうそろそろ、私達が住んでいるまちの「シンボル」として、「市の花、木、鳥、歌」等を制定する時期が来ているのではないかと思われます。「市章」に続いての「市の花、木、鳥、歌」等の制定は、市民の皆なが、より一体感を醸成していく上で大変効果的なものであろうと思われます。
ちなみに、合併前の川之江市の花は「菊」、木は「松」。伊予三島市の花は「つつじ」、平成6年からは「コスモス」、木は「くすのき」。土居町の花は同じく「つつじ」、木は「五葉松」。そして新宮村の花は「茶」、木は「山桜」でした。鳥については土居町だけが町の鳥として「めじろ」を制定していた様です。歌については川之江市と土居町にあったようです。
宇摩合併協議会では、項目調整方針の取り決めの具体的内容として、「市の花、木、鳥については、新市発足後、速やかに制定のための組織化を図り、公募により決定する。」としております。市の歌等も含め、新しい市のシンボルとしての花、木、鳥、歌の制定について、当局のお考えをお聞きいたします。


以上で、私の質問を終ります。よろしくご答弁の程お願いいたします。有難う御座いました。





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