四国中央市市議会議員 吉田善三郎 TOP > 議会便り > 2007年9月議会 一般質問 |
-- 四国中央市議会 2007年9月議会 一般質問 -- |
おはよう御座います。議席番号5番、吉田善三郎です。よろしくお願いいたします。
今、私たち、大多数の国民が実感していることは、国家財政は言うに及ばず、地方自治体の財政も大変厳しい状況におちいり、そのしわ寄せが納税者である私達を直撃している。そして、その重税感に私達は、押しつぶされそうになっていると言えるでしょう。
そんな状況の中で、私は最近、あの経営の神様と言われる松下幸之助が60年も前に、「無税国家論」と言うものを考えていたと言う記事を目にしました。
その「無税国家論」と言うのは、国費の1%を毎年積み立てていけば、100年後には、日本は税金が要らない国になる。」と言うものです。これは大変興味深い話です。しかし当時は、そんなことは不可能だ、夢物語だと言う声が出たのは当然のことでしたが、そのような声に対して、松下幸之助は「国家が国民から税金を取るのは当たり前だ」と言う発想こそ、おかしいのではないか」と反論しております。この「無税国家論」、誠に痛快です。この様な国家の経営哲学を持たれた、松下幸之助に、もし現在の日本の国家経営をお任せすることが出来れば、どんなにか住みよい日本になるのではないかと、思えた次第です。
それでは通告に従いまして質問させて頂きます。
まず最初の質問は、この度7月1日に施行された「四国中央市自治基本条例」の制定後の広報周知と、条例活用プログラムについてお聞きしたいと思います。
当市の「自治基本条例」については、そのスタート段階から色々注目が集まりました。
例えば、愛媛県で初の「自治基本条例」であると言うこと。また、完全公募による市民委員で構成された検討委員会が最初の段階から条例作りに携わったこと。そして議会内にも自治基本条例小委員会を立ち上げ、十分協議を行いその内容を深めて行ったことなど、井原市長が言うところの、市民、議会、市の三者による「協働によるまちづくり」に向けての、一つの試金石であったと思います。
そして、先の6月定例市議会において「自治基本条例」が可決され、7月1日施行となりましたが、この可決成立から施行までの期間が短かった事については、私も何人かの市民の方からお叱りを受けた点であります。いずれにせよ評価されるべきは、井原市長がおっしゃる通り、今回はスタート時点から公募による市民委員が参画して、ひとつの条例を作り上げたと言う、そのプロセスに価値があると言う事であろうと思います。
さて、この様にして「まちの最高規範」と位置付けられる立派な「自治基本条例」が出来上がったわけですが、現在のところ、まだまだ市民の間にも、行政職員の間にも「自治基本条例」の持つ意味が充分に理解されているとは言えないのではないかと思います。
ですから本当に大事なのはこれからだと思うんです。市報8月号にも書かれております様に、この条例は、つくりさえすればそれで良いと言うものではなく、市民の皆さんに広く認知され、また使われて初めて効果が生まれてくるものです。その為には、これからもっともっと市民に理解してもらう事が大事ですし、個別条例や要綱の整備による制度設計に取り組むなど、「まちの憲法」にあたる「自治基本条例」が将来にわたり、文字通り「まちの最高規範」として位置付けられるよう、これからが本当にエネルギーの要るところだろうと思います。
そこで以下、何点か質問と提案をさせてもらいながら、私の考えを申し上げたいと思います。
まず今回家庭に配布された「自治基本条例」の冊子の配布部数と、配布先をお聞きいたします。配布先として市内全家庭だけなのか。行政機関とその出先、また図書館や公民館、あるいは中学校、高等学校へは配布したか、更に市内の民間事業所への配布はどうだったか、その辺りをお伺いいたします。
次に、今回配布された「自治基本条例」の冊子には、「保存版」と明記すべきではなかったか。大事な「まちの憲法」なんですから、家庭などで身近な所にあって、いつでもどこでも見て確認できるように保存しておくべきです。
また、今回配布された冊子は、本来「自治基本条例逐条解説」とすべきものだと思います。条例そのものには、形として普通解説文は付いてないものです。私が小委員会の協議中に確認した時にも、解説文は条例とは別物になると確か理事者から説明があったと記憶しております。神奈川県大和市でも、「自治基本条例」と「逐条解説」が別物になっています。 市の最高規範と位置付けるからには、その体裁も大事な要件だと思うのですが如何でしょうか!
次に、昭和22年のことですが、日本国憲法が施行されて間もなく、文部省は憲法の普及を目的として、中学一年生の社会科教科書として「あたらしい憲法のはなし」と言うものを発行したそうです。この様な表紙の教科書だったようで、ここに「あたらしい憲法のはなし」と書かれていて、「文部省」と右下にあります。そして中をめくると、その最初にはこう書かれています。「みなさん、新しい憲法が出来ました。そして昭和22年5月3日から、私達日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました。この新しい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が大変苦労をなさいました。ところで皆さんは、憲法と言うものはどんなものかご存知ですか。自分の身にかかわりのないことのように思っている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きな間違いです。云々……」そして、憲法の中身の民主主義や主権在民、戦争の放棄などについて易しく解説しております。この様に当時の文部省は憲法の周知徹底を図るのに、若い中学生の年代から理解してもらおうと、一生懸命になっていたことが良く分かります。なるほどと言うお話です。
そこで提案ですが、当市の自治基本条例を文字通り「まちの最高規範」の憲法とするならば、中学生、高校生の為に分かりやすく、例えば「自治基本条例のはなし」などとした冊子をつくり、学校の先生に授業をしてもらうとか、あるいは市の職員が出向き学校で積極的に出前授業をすると言うのは如何でしょうか!「自治基本条例」の中には、第8条に「こども」に関する条項が盛り込まれておりますし、第27条の「住民投票」の条項では、未成年者の参加も考えられるとしている訳ですから、将来の四国中央市を背負って行く中学生、高校生に自治基本条例を理解してもらうのは、大変有意義なことだろうと思います。理事者のお考えをお聞きいたします。
次ぎに、事業者に対してですが、大、中、小を問わず、市内の民間企業にも「自治基本条例」の精神を充分理解していただく必要があると思います。時あたかも、地元製紙会社の環境と法令遵守に対する認識の甘さが露呈しておりますが、「自治基本条例」の第7条には、「事業者の責務」があって、特に地域環境を乱すことのないようにと定められております。事業所に対してどの様に「自治基本条例」を認識してもらうのか、そのマニュアルをお聞きいたします。
最後に、四国中央市は愛媛県で初の「自治基本条例」が制定されたのだと言う誇りを、何よりも職員に持ってほしい。その為には職員の庁内研修の履修項目に組み込むことが重要だと思います。さらに、職員採用試験には必ず出題すると言うのは如何でしょうか!理事者の答弁を、よろしくお願いいたします。
次に大きいふたつめの質問は、公園、遊園地、緑地の維持管理状況と、今後の方針について、お伺いいたします。このテーマにつきましては、平成17年9月議会で、合田陽子議員が質問されておりまして、この時は、庁内に行政改革推進本部専門部会を設置し、維持管理一元化について検討するとともに、早急に市民に分かりやすい管理体制を構築していきたいと答弁を頂いております。あれから2年が経過いたしました。公園、遊園地、緑地の維持管理状況はどのくらい改善されたでしょうか、システム作りは出来たでしょうか。この2年間の進捗状況を、まずお伺いしたいと思います。
次ぎに、よく行政と言うのは縦割りであると言われます。当市の公園や遊園地の維持管理においても、都市計画課、観光交流課あるいはこども課など10以上の担当課に分かれている様ですし、又その機能についても、観光施設や休養施設、あるいは福祉施設などとして造られ、その使用目的も色々になっている様です。
ここでお尋ねいたしますが、まず市内180箇所にあるとも言われる公園、遊園地、緑地についてのデータ、つまり公園の名称、地図上での場所をはじめ、面積、担当課、設置目的、機能、遊具やトイレの有無、夜間照明、維持管理方法、維持管理の為の予算、見回りマニュアル等、全てを網羅したデータベース作りが何よりも急がれるのではないかと思われますが、現在はどの程度まで把握されているのでしょうか。維持管理を一元化するかどうかは、そのデータベースを見ての判断にすれば良いのではないかと思います。その場合、当市が目指す公園、遊園地、緑地の維持管理の一元化と言うのはどの様なものなのか、「公園維持管理室」とか「公園管理課」と言う様なものを置くのかどうか、一元化のメリットとディメリットはどの様な事が考えられるかを含めて、お伺いできたらと思います。
実は今回、私がこの様に公園、遊園地、緑地について質問をする理由は、次ぎのことにあります。具体的に申し上げますが、ひとつは向山公園のグランド横のトイレについてです。理事者も行ってみて確認をして欲しいと思いますが、ここのトイレは未だに汲み取り式のものなので、近くへ行くともう悪臭がします。その上、清掃などの維持管理が出来ていないので、本当に悲惨な状態です。汚れがひどくて、入り口には、くもの巣が張っています。悲しくなります。
と、今の現況をこの様に指摘する予定でした。ところがこの質問の原稿を作っている間に、なんと綺麗に掃除されたんです。今まで長い間、あれ程手が入らず放ったらかしにされていたトイレが、一夜にして綺麗になりました。これには驚きましたが、恐らくこれは私の想像ですが、「トイレを綺麗にしておかないと議会で質問が出るぞ」と情報が伝わったのではないかと思うんです。でもこれはこれで大変結構なことで、議会での質問の効果と言うものが、少しはあるのかなあと思った次第です。
で問題のトイレですが、このままだと又汚れる可能性は充分にあると思われます。それに市内を代表する公園のひとつである向山公園に設置されているトイレが、今だに時代遅れの汲み取り式であって、悪臭が漂っているのは頂だけません。女子トイレのドアは鉄製で重く、部屋は圧迫感があり、汲み取り式ですから下を覗き込むと怖いくらいです。また男性トイレもオープン式で、水で流せませんので衛生的ではありません。臭いを逃がす脱臭管も二本とも壊れています。利用者のマナーが問われることは勿論のことですが、この状況を見ると、もはや汲み取り式のトイレでは、綺麗に掃除をするなどの維持管理そのものが大変難しいのではないかと、言わざるを得ません。
そこでですが、改善策として、この様な汲み取り式トイレを早急に改め、是非浄化槽を設置した水洗トイレに改修すべきではないかと思うのですが、理事者の答弁をよろしくお願いいたします。
もうひとつは、川岸児童遊園地が近所のルール違反者に駐車場代わりに使われていると言う現状があります。少ない時でも10台余り、夜間の多いときは20台の自家用車やトラックで遊園地がいっぱいです。
その隣には市営駐車場がありますが、市営駐車場を借りて有料で止めている人がいる一方で、遊園地の中に止めれば無料です。昔は入り口に、車の進入禁止のためのポールがあった様ですが、いつの間にかなくなっています。遊園地内には鉄棒などの遊具もありますから、当然のことながら子供たちが遊びに来ます。大変危険です。本来の用途からして、この遊園地に車を進入、駐車させる事は許されないはずです。更に公園、緑地の役割として災害緊急時には避難場所の役割があるでしょうし、ここで炊き出しなどを行うことになるかも知れません。いずれにしても、このままで放置しておく事は、市の管理責任が問われることになるわけですから、とにかく違反状況は、早めに是正していかなければ行けないと思います。どんな対策を講じて行くのか答弁を求めます。
以上申し上げた二ヶ所については、管理不充分の状態なので、敢えて申し上げました。現在管理マニュアルにより定期的に、現地に足が運ばれているか、もう一度確認してみる必要があると思われます。
また、前段で公園管理の一元化の話が出ましたが、仮に公園の管理の整理統合、つまり一元化がされたとしても、それが机の上だけのものでは役に立たないと、わたしは思うのです。
この際、全データベースの整理と、個々の維持管理の方法の確立を急ぎ、市民の目線で行政が素早く対処をしていくと言う気持ちを持って当たって欲しいと思います。
これで私の質問を終ります。有難う御座いました。
|
|
|
四国中央市市議会議員 吉田善三郎 TOP > 議会便り > 2007年9月議会 一般質問 |
|
吉田善三郎 後援会
〒799-0101 愛媛県四国中央市川之江町3112-58
TEL 0896-59-1355
|