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-- 四国中央市議会 2008年3月議会 一般質問 -- |
議席番号6番、吉田善三郎です。よろしくお願いいたします。
先日、高知で4県知事会議が開催されました。今年をどのような年と位置付けるかと言う質問に、各知事が答えていました。橋本大二郎知事の後を継いだ新人の尾崎高知県知事は、県勢浮揚の足固めの年としたいとし、飯泉徳島県知事は、今年を前進・飛躍への道としたいと述べられました。また、今年瀬戸大橋開通20周年を迎える香川県の真鍋知事は、今年を文字通りメモリアルイアーにしたいと言われました。そして愛媛県の加戸知事は、今年を我慢坂に自慢坂の年と位置付け、厳しい財政状況の中ここはひとつ我慢をしながら知恵を出し、自慢の出来る施策を考え、自慢の出来る愛媛県にしたいと言われておりました。なるほど、 4県知事のそれぞれの特徴が出ていて面白いなあと思いながら、興味深く番組を見た次第です。
当市の井原市長も、市報1月号の「新年のあいさつ」の中で、今年は合併から4年を経て基礎固めと融和の時から、ポスト合併の年として飛躍への転換点の年としたいと申されております。
4月には第二期井原市政が船出するものと、これは私の確信しているところでございますが、厳しい財政状況の中、当市の改革はまだまだ道半ば、とおっしゃる井原市長に期待するところであります。
それでは通告に従いまして質問させて頂きます。
最初の質問は、「財政非常事態宣言」の必要性についてお伺い致します。1月31日の朝日新聞に、「私のまちは大丈夫か?自治体財政を検証」の記事の中で「四国中央、2指標で最悪」と出ていました。その内容は’06年度の数値で、経常収支比率の96.4%と、実質赤字比率の1.8%の2指標が愛媛県20市町の中で最下位にランキングされていると言うものでした。
その理由として挙げられておったのが、新市が発足した直前、旧市町村で駆け込みでなされた、いわゆる「箱もの」建設ですが、確かにこれらの財源となった地方債がそのまま新市の負担になっていることは否めない事実であろうと思います。要するに四国中央市は、この様なものも含めて、新市発足時に旧市町村から引き継いだ地方債残高が、既に計512億円ありました。そしてその償還がピークとなる今年度は借金の返済に充てる公債費が約60億円と言うことになっていると思うのですが、このうち元金が減るのは約49億円で、利息分が約11億円もあります。
一方で今年度約30億円の市債を発行し借り入れを起こしているので、60億円返済したと言っても元金分返済は49億円ですから、実質減るのは19億円だけと言う計算になります。結局借金と言うのは多く借りると、いわゆる借金体質となり返済のために又借り入れなければいけないと言う悪循環に陥り、なかなかそこから抜け出せないと言う財政状況になるわけです。
経常収支比率の悪化の意味するものは、人件費や扶助費と言った義務的経費が歳出の多くを占め、結果的に市民福祉の向上のために実施したい施策が思うように出来ないと言うことですから、おのずと市民満足度は低いものになってしまいます。経常収支比率は地方自治体では70%〜80%が適正だとされておりますので、当市の96.4%はかなり硬直化した財政状況を物語るものと言わざるを得ません。
さて、この度就任した大阪府の橋下知事は、債務が5兆円ある大阪府を、これは大変なんだ、非常事態なんだと言うことで、就任して即座に大阪府の「財政非常事態宣言」を発しました。人口約900万人の大阪府の借金が5兆円、それに対して人口95000人の当市の借金が500億円と言う事ですから、四国中央市は人口も借金も丁度大阪府の100分の1のミニチュア版だと言うことが出来ます。ですから当市も大阪府と全く同じくらい厳しい状況と言うことが出来るわけですから、先ほどの経常収支比率と実質赤字比率が愛媛県下でワーストワンであると言うことを併せて、井原市長は、当市の財政状況について「財政非常事態宣言」を発するくらいの危機感を表されても良いのではないかと思いますが、まず以って井原市長のご所見をお伺いしたいと思います。
次ぎに、この様な借り入れの多い硬直化した財政状況から一日も早く抜け出すためには、何をなすべきか。私は、この厳しい状況から脱却して行くには、しっかりとした財政再建計画の策定が重要だと思います。
大阪府の橋下知事は、この様な状況を踏まえ、原則として府債を発行しないなど、具体的対策を打ち出しているようですが、当市の今後3年、5年後あたりの中長期の市債発行計画とそれに連動した公債費適正化計画、さらに、経常収支比率と実質赤字比率の改善策をどのようにたてて行くのか、具体的な数値目標と共にお聞かせ願えたらと思います。
次に市有財産のうち美術品類の管理、メンテナンス、有効利用についてお伺いいたします。
四年前の合併以来、新市において機構改革や組織変更が毎年のように繰り返され、それに伴い多くの部署の変更や改廃があり、その度人の移動、部屋のレイアウト変更や、また什器備品類の移動、配置転換などが、繰り返されております。
職員の方にとっては、整理をしたり片付けたり、引越したりで、本当にご苦労様でございます。
さて、その様な中で合併前の旧市町村から引き継いだもののうち、特に美術品類の管理、メンテナンスのことが気になりますので今回お聞きする次第です。
まずお聞きするのは、この美術品類を現在どの様に掌握されているのか、お伺いいたします。つまり絵画、彫刻、工芸、書、掛け軸、写真をはじめ置物、人形、つぼに至るまでおおよそ美術品に分類されるものの現在の所有点数、それぞれの購入金額あるいは寄贈品の場合の評価金額、所管部署、管理方法等について、お答え願えたらと思います。
合併前旧市町村にそれぞれ、かなりのものがあるのではないかと思われます。更に教育委員会管轄の市内小中学校に貸し出したり、移譲されたものもあるのではないかと思われます。その辺りも含めてお答え願えたらと思います。
実は先日ですが、川之江総合支所5階の旧議場、ここは私が始めて市会議員に当選して一般質問のひのき舞台に立たせて頂いた思い出の場所ですが、支所長に無理を言って中を見せて頂きました。するとそこは、理事者や私達議員が座っていた椅子や机は取り除かれ、そのスペースに庁舎で使われなくなったテーブルやロッカー、事務机や椅子、古くなったコピー機など、いろんな在庫品がギッシリと置かれ、いっぱいに埋め尽くされた倉庫となっておりました。ここが合併まで旧川之江市の行政の意思決定をしていた市議会の議場だったのかと思うと、一抹のわびしさが込み上げて来たわけで御座います。
その旧議場の中に美術品的価値の高い絵画等がストックされておりましたが、もったいない話です。又置かれている状態と言えば、ダンボール等で梱包されていたものもありましたが、裸で額のままで床に置かれていたものも見受けられました。もし作者がこの状況を見たならば、どの様に思うだろう、きっと悲しむだろうなあと、そんな気持ちになりました。
ここでお伺いいたします。美術品等で特に油絵などは、温度や湿度の管理が問われるでしょうし、変色や破損に充分神経を使う必要があると思います。だとするならば、夏冬冷暖房のエアコンも入らない庁舎5階の旧議場に、この様に置いた状態で大丈夫なのか大変心配するところで御座います。その点についてお答え願えたらと思います。
次にこの様な美術品を、宝の持ち腐れとするのではなくて、市内小中学校や公民館へ積極的に貸し出しをするべきではなかろうかと思うのですがいかがでしょうか。また希望によって市内の各地区の自治会館、集会所、さらには民間事業所にも貸し出すくらいの柔軟性を持った有効活用を考えてみたらどうでしょうか。ただこの場合に色々気をつけなければいけないと思いますのは、市に所有権があるとは言え、その作品に込めた作者の想いと言うか、作品の魂と言うものを大事にしなければいけないと思いますし、作者や寄贈していただいた方のお気持ちにも配慮する必要があると思います。
次に美術品等の管理一元化を提案致します。
古くから私達の住む宇摩地方は文化の香り高い地方であります。そして合併前の旧2市1町1村には、それぞれ芸術的価値のある美術品や、あるいは文化的価値のあるもの等、自治体が所有する美術品類が多くあるものと思われます。現在各庁舎は勿論のこと、高原ふるさと館や曉雨館、福祉会館や霧の森などに所蔵するものも含めて、いちど全てを掌握した上で、一括管理する部署を設けて、そこでは管理は勿論のこと、作品のメンテナンス、そして運用管理までしていく、その様な方法は如何なものでしょうか。理事者のお考えをお伺いいたします。
最後の質問は、ごみ減量対策についてです。
このテーマは大きくは地球温暖化や資源の有効利用等の地球規模の問題であり、身近にあっては、リサイクルや快適な生活環境を守ると言う重要なテーマであり、更にはごみ処理事業費の削減と言った行政コスト対策でもあります。
当市においては、これまでに庁舎全体で国際環境基準ISO14001の認証取得をしたり、最近の市報で生活清掃課から「ごみ減量都市へ」と題して市民の皆さんに広く、ごみ減量の重要性を呼びかけている事は、皆さんご案内の通りです。
ここで最初にお聞きするのは、当市のごみの現状と問題点についてです。
これまでのデータによりますと、当市では一人1日当たりのごみ排出量は1093グラムで、愛媛県下でも3番目に多いごみ排出量のまちとなっている様です。
これらごみ搬入量の推移、収集体制、又ごみ処理費用等の現状はどうなのか。そして愛媛県下の自治体と比較してどの様な課題が見えてくるのか、お伺いしたいと思います。
次ぎに、こうした中で、当市において昨年7月に「ごみ減量推進協議会」なるものが発足し、現在その協議がなされている様でございますが、この「ごみ減量推進協議会」の構成メンバーと設立の目的はどのようなものなのか。又これまでの協議内容と経過、並びに協議会で得た貴重な提言を今後どのように生かして行くのか、お聞きしたいと思います。
次に、ごみ減量を推進していく場合、私は、やはり明確な目標設定が必要であると思うんです。例えば20%あるいは、30%減らすとか、又一人1日当たりごみ排出量を具体的に100グラム減らすとか、200グラム減らすとか、目標を設定すべきだと思います。
くしくも先月2月の愛媛新聞にちょうど、次の様な記事が出ておりました。「環境省は先月2月14日、リサイクルなどを除いて、一人が1日に排出する家庭ごみの量を、2015年までに、2000年度に比べ20%減らし約530グラムにする目標を決めた。また同時に事業所から出るごみも、年間総量で同じく20%減らして約1450万トンとする。このことを3月中にも閣議決定する第二次循環型社会形成推進基本計画に盛り込む。」としております。この目標には強制力はないものの、環境省は地方自治体が作るごみ減量対策の目安としてもらい、ごみの減量を図る方針の様です。
当市において、家庭系ごみの一人1日当たりの排出量は平成18年度実績で745グラムとなっておる様でございますが、この数値目標を例えば具体的に650グラムとか、600グラムと言う風に数値目標として設定すべきだと思うのですが、如何でしょうか?
最後に、この環境問題、とりわけごみ問題については、市内の小中学校のこどもたちを巻き込んだ運動が大切ではないかと思います。2月15日の愛媛新聞に、こんな記事が出ております。今治市の乃万小学校では、環境問題をテーマにした人形劇があって、皆で「いかにごみを作らない生活をするか」を考える大切さを学んだとあります。全国各地区でこども達の色々な取り組みが行われているようです。当市の小中学校でも環境問題やごみ問題について、ポスターやごみ減量の標語作り、あるいは河川クリーン清掃に積極的に学校単位で取り組むなど、授業の中に取り入れていくことこそ大切なことではないかと思うのですが、理事者のお考えをお聞きしたいと思います。
以上で私の質問を終ります。有難う御座いました。
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