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2008年9月議会 一般質問
おはようございます。議席番号6番、吉田善三郎です。今議会のトップバッターです。よろしくお願いいたします。
それにしても、9月1日の福田首相の辞任発表は「晴天の霹靂」、「寝耳に水」、の出来事でした。安倍さんに続いて、一年持たなかった福田首相のこの辞任劇に「またか」と思うと同時に、政権運営に自信がなくなったからと言って、どうしてこんなに簡単に総理の座を投げ出すことが出来るのか、と思った人も多かったのではないでしょうか。悲しいかなこれで又国民の国政に対する不信感が一層募った形となりました。これは選挙で選ばれていない政権の危うさが現実のものになったとも言えます。この事態を収拾するには、もはや残された道はひとつ、一刻も早い解散総選挙しかないのではないかと思います。
兎にも角にも、国政がしっかりしてくれなければ、私達地方自治体の運営も落ち着きません。井原市長も焼きもきされているでしょうが、私達議員も11月選挙を目の前にしてなおの事、出来るだけ政治的空白が生じないように願いたいものです。
それでは通告に従いまして、質問させて頂きます。 最初の質問は、四国中央市教育委員会と教育委員会制度についてお伺いいたします。
まずこの度、新しく教育長にご就任されました野村勝廣教育長、ご就任おめでとうございます。新市になって二代目の教育長には、当市のこれからの教育行政、改革も含めよろしくお願い致したいと思います。
さて、昨今マスコミでも色々報道されている様な教育界での出来事や、先進国の中での学力の低下などについての報道を見聞きするにつけ、教育の大切さを痛感するわけでありますが、同時に教育環境の変化や教育行政を取り巻く状況の難しさもあり、教育問題はいま、私達に突きつけられている喫緊の課題だといえると思います。
ここで教育行政を歴史的に紐解いて見ますと、そもそも教育委員会制度は、その生い立ちとしてはアメリカの制度をモデルとしてスタートしたもので、戦前の地方教育行政は、市町村長が文部大臣及び府県知事の指揮監督を受けて教育行政を行っていたようです。
しかし戦後になって、新憲法の制定に伴い、教育行政の民主化や教育行政の地方分権、更には教育の自主性確保等が方針として掲げられる様になり、その結果すべての都道府県及び市町村に、その責任機関として教育委員会が設置されるようになったと理解しております。
そこで当市にも教育委員会が設置されておりますが、一般的に言って教育委員会と言うのは合議体の執行機関であり、市長部局から独立した行政委員会であると位置付けられているようです。ただ私が常々感じている事は、教育委員会と言われる行政委員会の姿がいまひとつ見えにくいと言う事と、一般市民の方がどの程度教育委員会のことが理解できているのだろうかと思う点であります。よく聞かれるのは、教育委員会の委員はどの様に選ばれるのかとか、教育長と教育委員長の違い、また教育委員会の職務の内容はどんなものなのか。あるいは、所管する事務を執行するための予算や所管する小中学校教員の人事権など、いわゆる権限は何処まで与えられているものなのか、と言った様々な点があげられます。更には、市長部局とは相対的に独立した執行機関だと言われる教育委員会ですが、市長との関係はどのようになっているのか、又その権限と責任の所在は整理されているかなど、色々な疑問が指摘されている事も事実のようです。
そこで、最初にお聞きするのは、この度新任された野村教育長に、当市の教育委員会像と言いますか、四国中央市教育委員会は四国中央市にあってどのような行政委員会であるのか、その所掌事務、役割、取り組み方針等、私が先ほど申し上げた点を含めて、野村教育長のお考え、あるいは所信をお伺い願えたらと思います。
次に、毎年教育委員会が発刊している「教育要覧」についてお聞き致します。
合併初年度の平成16年度から、5年目となる今年平成20年度も「教育要覧」が発刊されました。
その内容を見てみますと、その年の四国中央市教育基本方針があって、続いて学校教育、幼稚園教育、社会教育など教育委員会が所掌する項目ごとに、基本方針、重点目標、具体的な目標と施策などが示されております。
そこで、「教育要覧」の中の最初の方に挙げられている「教育基本方針」に付いてですが、ここ5年間、殆んどと言っていいほど同じ文章であり、従って内容も全く同じで変わっていないことが分かります。ただ最後の文章のくだりの部分で昨年度まで謳われていた「融和協調の精神に立脚した新しいふるさとづくりに邁進する。」というところの「融和協調の精神に立脚した」という文言が今年度から抜け落ちているのが、少し気になるところです。
つぎに、所掌項目として挙げられている学校教育、幼稚園教育、社会教育などの基本方針、重点目標、具体的な目標と施策などについても、私の目には内容は殆んど変わっていないような気が致しますが、時代に合わせて、ここ5年間どこをどの様に改定させてきたのか、お伺いしたいと思います。
実際当市の教育現場では、ここ5年間色々なことがありました。例えば、学校教育で平成19年度から愛媛県内では初の試みとなる新宮小中一貫教育が始まりました。また同じく、平成19年度からスタートした三島東中学校の教科教室型による新たな授業については他市からの見学者も多いと聞きます。この様な教育内容の画期的な変化を教育委員会はどの様に把握し、「教育要覧」の中にどの様に記述し、教育委員会としてどの様に取り組んで行っているのか、その辺り私達の知りたいところであります。つまり時代に対応した変化が求められる地方教育行政にあっては、毎年の教育方針もキッチリとタイムリーに変化させていかなければいけないのではないかと思うわけでございます。今年度も、もう既にスタートしておりますが、特に合併5年目に入った今年度平成20年度の教育方針について、これまでと違った点があればお示し願えたらと思います。
最後にお尋ねする事は、当市において子供達の教育をはじめ、社会教育、文化振興、図書館など広く教育全般の所掌事務を担う教育委員会の毎年の基本方針、あるいは新年度はこのように取り組むのだと言う具体的目標を、年度初めに広く市民に公表できないものか、お伺いしたいと思います。お聞きしますと県教育委員会に報告する当市の児童数、生徒数、学級数等の数値は5月1日現在のものであることから、この「教育要覧」そのものの発刊は毎年夏頃になるようですが、当市の新年度の教育方針は、年度末には既に決まっているものと思われます。
ですから私は理想的に思うのは、3月議会において市長が新年度の所信表明をされるように、教育長が新年度目指すところの四国中央市教育基本方針あるいは新年度の取り組みの表明を3月議会でされることがあっても良いのではないかと思う訳であります。この点、理事者の御答弁を頂きたいと思います。
以上で、教育委員会と教育委員会制度についての質問を終ります。
次にお尋ねしますのは、私のこれまでの議会における一般質問についてです。
新市になっての4年間、私が市議会において、多岐にわたる色々な項目についての一般質問をさせて頂きました。それら一般質問に対して、理事者からは適切な御答弁を頂いた訳ですが、ひとまず、この4年間の区切りとして、今までご答弁いただいた内容を、確認をさせて頂きたいと思います。と申しますのも、私達市議会議員は、この議会を最後に、ひとまずは11月までの任期ですので、あと2ヶ月の命でございます。誰かが、うまく言っておりましたが、今の私達の状態は「トンボの首」なんですねえ。ここはひとつ、この首が繋がりますように、理事者も祈って欲しいと思うのですが、つまり私達議員にとりましてはこの9月議会がひとつの区切りなんです。
そこで、これまで私が、理事者に対して考えを質したり、提言をしてきて、頂いた答弁がその通り間違いなく実行されているかと言う事を、私の支持者や広く市民の方々に対して報告する義務があると思いますので、この区切りの議会において確認をさせて頂きたいと思う訳でございます。
さて、四国中央市議会も合併して議員数が30人になった平成16年12月議会から今年9月議会まで、15回の市議会が開会されておりますが、私は毎回、理事者に対し質問や提言に努めて参りました。そして、ここまで39項目のテーマを取り上げて来ましたが、その中には、私の提言に対してご理解を頂き、提言が施策として実現したものもあり、そんな時は議員をやっていて良かったなあと思える一瞬であります。
しかしながら一方で、多くの場合は、議会での一般質問の場と言うのは、私達議員が質問や提言を行い、それに対して理事者が答えると言う形の、その場限りのやり取りで終わる様な感じがする場合もございます。それではいけないので、今回私は気になる次の4項目について、再確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて確認させて頂きたい項目の一つ目は、墓地行政についてです。
平成17年3月議会での私の質問は、「遅れている当
市の墓地行政に関して、市の積極的な取り組みと、墓
地行政の指針作り」をお願いすると言うものでした。
これに対して、当時の宇高市民環境部長から頂いた答弁は、「市としての今後の墓地行政に対する考え方は、財政逼迫の折、今後更なる検討の余地もございますが、その必要性を論議していく中で、墓地公園整備事業を検討して参りたいと考えております。」と言うものでした。
以来3年半が経過いたしましたが、この間担当の市民環境部に於いて、当市の墓地公園整備事業について、どんな形で検討し、どの様に論議されて来たのか、また、結果として当市の墓地行政が何処まで進展があったのかをお聞きいたします。
二つ目は、四国中央市の花、木、鳥、歌等の制定についてです。
平成19年3月議会での私の質問は、「新市においてひとつのまちの一体感を醸成していく為にも、まちのシンボルとしての市の花、木、鳥、歌等を、もうそろそろ制定してはどうか。」と言うものでした。
これに対して、当時の神田企画部長から頂いた答弁は、「現在、県下でも合併後、市の花、木が制定されていないのは、西条市と当市だけとなっております。平成20年度は市制5周年を迎えることから、平成19年度中に市民公募も入れた制定委員会を設置し、充分協議したいと考えておりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。」と言うものでした。
さて平成19年度は、もう既に終っており、現在平成20年度の9月を迎えております。19年度中に立ち上げるとした制定委員会は、どうなったのでしょうか。もう既にスタートしているのでしょうか。市の花、木、等の制定計画はご答弁の通り推移しているのでしょうか、ご答弁の確認をさせて下さい。
三つ目は、向山公園の汲み取り式トイレの改修についてです。
平成19年9月議会での私の質問は、「向山公園の汲み取り式トイレは、早急に水洗式に改修して欲しい。」と言うものでした。
これに対して、当時の石川都市整備部長から頂いた答弁は、「議員ご提案のトイレの水洗化でございますが、従来より他の議員さんや地元関係者からの要望もあり、今後検討させて頂きたいと考えておりますので、ご理解下さいますようお願い致します。」と言うものでした。
では、その後このトイレ問題に付いてどの様に検討されて来たのか、その経過をお聞きかせ下さい。向山公園トイレの水洗化は関係者の悲願です。その可能性も含めて、ここで再度ご答弁願えたらと思います。
四つ目は、子供議会についてです。
平成19年12月議会での私の質問は、「市民が主役の市民自治の確立を基本理念とした自治基本条例が制定された当市において、子供たちに自分のまちの将来についての考えや夢を出してもらう事は、大変有意義なことです。そのひとつの方法として、是非子供たちが市議会議場に集まり、子供議会が開催されることを提案いたします。」と言うものでした。
これに対して、当時の宮崎教育長から頂いた答弁は、「議員ご承知のように、本市は県下に先駆けて市民が主役の市民自治の確立を基本理念として、市民と議会と市が協働によるまちづくりを実現することを目的とした自治基本条例を施行しました。この事は取りもなおさず市民が市政に参画し、その意思が反映されやすくなったで事であり、また社会の構成員である子供たちが、子供議会等を通して自らの考えや体験に基づく提言あるいは質問が出来ることでもあります。が、そうした子供議会につきましては、子供たちが自分の住んでいる地域の情報収集や調査、提案に向けての共同作業等が必要であり、まとまった時間を要します。今後教育課程の中で、実施できるかどうか調査しますとともに、学校現場とも協議検討して参りたいと考えますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。」と言うものでした。
では、この点につきまして、学校現場とどの様に協議検討してきたのか、教育委員会と学校との間で具体的な会合などを開いたのであれば、そのあたりをお聞かせ下さい。また今後どのような見通しになるのか、についてもお伺いいたします。
以上で私の質問を終りますが、先ほども申し上げましたように、私達議員に与えられた任期中の議会での質問は今回が最後となります。理事者におかれましては、私達のそうした立場を充分考慮の上ご答弁お願いできたらと思います。
理事者の答弁を受けての再質問
教育委員会について
教育長の所信表明については、今回このような形で表明されたので、市民の方も私たち議員も、よく分りましたが、今後、毎年の年度初めに「四国中央市教育基本方針」が教育長から発表されることを期待いたします。
次に「教育要覧」の中の、学校教育の「安全安心な学校づくり」のところで、今年度新たに「ICカード・GPS機能付き携帯電話等の登下校管理システムの充実」の項目が付け加わった事は、目新しい事で、良かったと思います。が、私が気になりますのは、今現在マスコミ等でも色々言われているところの南海、東南海地震に対する備えとしての「防災」に付いての文言が、ひとこともないことです。
「安全安心な学校づくり」に項目に、私は是非「防災」に対する心構えを付け加え、地震等に備えたものにしていくべきではないか、と思うのですが如何でしょうか?
それと、もうひとつは児童生徒の「学力」についてですが、ちょうど9月4日の読売新聞にこんな記事が出ておりました。大阪府橋下知事は、大阪府教育委員にあの「百ます計算」の実践で知られる立命館小副校長の陰山英男氏を起用する方針を固めたと言うものです。陰山氏は「読み、書き、計算」の基礎学力向上の取り組みで成果を上げた実績がある方で、橋下知事の狙いは大阪府の子どもたちの基礎学力向上にあるようです。
ここでお伺いしますのは、当市の子供たちの現在の学力のレベルについて、教育長、市長はどのように理解されているのか。高いのか低いのか、先ほどの「読み、書き、計算」のような基礎学力の向上策をどのように考えているのかお伺い出来たらと思います。
理事者の答弁を受けての再質問
「市の花、木、鳥等」について
「市の花、木、鳥等の制定」についての理事者の答弁内容については、これは議会制度の中で、私たち議員の質問に対して答える理事者答弁の重さ、と言いますか、その根幹にかかわる問題を秘めているように思うので、再度お聞きします。
これは市長にお聞きする方が良いのかも知れませんが、議会での理事者の答弁が、現実と違ってきた場合、正式な訂正、お断りはどうなるんでしょう。
このケースの場合、「市の花、木等の制定」について、当時の神田企画部長が、「平成19年度中に、市民公募も入れた制定委員会を設置します。」と明確に答弁をしてくれております。しかるに、この制定委員会は市民公募もなかったし、いまだに設置されてもいない。
すると、当時の理事者の答弁は間違っていたと言わざるをえない。
今回は私が再度議会の場で質問をしてはじめて、理事者から「実は、その通り出来ていないんです。」と言う答弁だったわけですが、もし私が今回、こう言った形で取り上げることがなかったら、どうだったんでしょう!
この様に正式な議会での理事者答弁が間違っていた、或いは答弁内容通り施策が進まなくなった場合、私は何らかの訂正、お断り、それも正式な形をとったものが必要ではないかと思うのですがいかがでしょうか。
私たち議員の発言は、ひとり議員からのものではなく、市民の声を代表したものです。そして理事者の答弁はひとり議員に対する答弁ではなくて、広く市民に対する答えです。公の答弁だと言う事を忘れないでほしいと思います。
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