四国中央市市議会議員 吉田善三郎  TOP > 議会便り > 2013年6月議会 一般質問



 -- 四国中央市議会 2013年6月議会 一般質問 --

おはようございます。議席番号14番、創政クラブ、吉田善三郎です。よろしくお願い致します。
 まず篠原実市長におかれましては、この度のご当選誠におめでとうございます。当市の二代目市長として市民の期待も高まっております。そのうち、篠原カラーを出されての市政運営になろうかと思いますが、県議会議員26年間の経験や人脈を生かされながら、どうか思う存分、力を発揮して頂きたいと思います。


 それでは通告に従いまして順次質問させて頂きます。


まず最初の質問は、当市の地場産業である紙産業を"紙のまち"四国中央市の将来とともに、今後どのように発展させていくか、についてお伺いいたします。
 私たちのまちは、古くから和紙の原料のミツマタやコウゾが四国山地に自生し、伏流水にも恵まれ、江戸時代から製紙業で栄えてきました。「黄金時代」と呼ばれる明治時代後半には手すき和紙工場が約750軒もあったと言われ、住民の大半が和紙作りに携わってきました。そして今では、機械漉きが中心となり、ティッシュ、トイレットペーパーに代表される家庭紙や書道半紙は勿論のこと、新聞・印刷・情報用紙や板紙・ダンボール・絶縁紙など、紙製品であれば、それこそ「お札と切手以外は何でも揃う」とまで言われる程の多種多様の紙製品が作られ、紙製品出荷額は年間約5000億円と全国一の座を占めるまでになりました。
私たちは紙と共に生き、紙産業と共に、ここまで発展して参りました。この地域の魅力、地域資源は何だと思いますかと問うアンケートに、50%以上の市民が製紙業などの地場産業であると答えたアンケート結果もあります。"紙のまち"四国中央市にとっては、紙産業は一心同体のものです。市民が誇りとする紙産業の発展は、雇用や税収の面で大きな波及効果をもたらし、市に貢献してくれる事は言うに及ばず、紙産業の盛衰は市の運命を左右すると言っても過言ではないと思います。私たちのまちは、紙のまちなんです。
 しかし、ここにきて紙産業を取り巻く環境は日々厳しさを増し、最近少しは円高に戻してはいるものの、円安の影響で、石炭や重油などの燃料や、木材チップやパルプなどの原料が値上がりしたり、また電気代値上げや、来年4月からの消費税アップの事などを考えれば、これからももっと厳しくなる事が予測されます。更にはIT化が進めば、新聞・書籍等の紙の媒体からペーパーレスとなり、電子文字での情報伝達が紙の消費量を減らすことになるのではないかとも言われております。
 この様な状況の中で、篠原市長が誕生したわけですが、篠原市長は、今回の市長選挙当選直後の記者会見で、市のこれからの経営方針についての考えを聞かれ、「井原市政を継承し、市民文化ホールや防災センターを早急に建設すること」と、もう一点、「製紙業など地場産業を支援する」と、力強く語られました。
私は、この時篠原市長が製紙業を支援すると言われた、この言葉は、当市にとって千金に値する発言だと受け止めたわけです。ここで篠原市長にお伺いいたします。
紙のまちに生まれ、"紙のまち"四国中央市の新しいリーダーになられた篠原市長の、当市の紙産業に対する思いと、これからの当市の紙産業発展のためには、何が必要か、をお聞きしたいと思います。


 次に二つ目の質問として、市役所内の産業支援課と今年度新設された企業立地推進室の果たす役割についてお伺いいたします。
当市は2004年4月、2市1町1村が合併し、まち・うみ・やまがバランスのとれた、全国でも屈指の"紙どころ"四国中央市として誕生しました。そして紙産業を中心とする高い産業集積地にふさわしい形で、合併の次の年の2005年には、市役所内に産業支援課を設置し、若者が製紙業の新しい担い手となるよう、研修会を開くなどして製紙業界を支援してきています。しかしながら、ハローワーク四国中央市管内の2月の有効求人倍率は、1.04倍で県内平均の0.96倍は上回ってはいるものの、これは小売店や流通関係の新規出店が主な要因だったようで、実は紙関連製造業の新規求人はリーマン・ショック以降、約2割も減少しているというハローワークのデータもあります。このような状況の中で、中小企業の技術力の向上や経営基盤の強化、あるいはベンチャー企業の育成など、新たな可能性を育む事が重要かと思われますが、当市の産業支援課が果たす役割はどのようなものなのか、そしてその目的は十分に果たされているのかどうかを、まずお聞かせ下さい。
 そして、次に企業立地推進室についてですが、この事に関して先日愛媛新聞の特集で次のような記事が出ていました。曰く、「地元企業の発展は雇用や税収の面で大きな波及効果をもたらすが、当市では力をつけた企業が市外へ新工場を求め、転出していくケースがある。その数が過去20年間で約20件もある。市外進出の理由は、土地の価格や広さ、あるいは立地条件などさまざまだが、市内で創業した企業が地元を離れることは、市民にとって大きなジレンマである。」との記事内容です。そうした中で市は今年4月、産業支援課内に企業立地推進室を新しく設置しました。その企業立地推進室の果たす役割と、地元企業の転出をいかにして防いでいくのか、お聞き致します。
 次に地元の代表的業界団体である社団法人愛媛県紙パルプ工業会(以下県紙パ工業会)等の業界団体との連携を、今後どのように強化していくかについて、お伺いいたします。
 全国業界4位の大王製紙を始め市内の殆どの製紙企業35社が加盟する県紙パ工業会の平成25年度通常総会が、先月5月24日に開催されたようですが、総会で示された今年度の事業計画によりますと、その基本方針として「国際化・情報化・環境問題等、業界が直面している諸問題に積極的な対応をし、関係行政機関や諸団体との連携を深めるとともに、地域社会との調和を図りつつ、愛媛県下の紙パルプ産業の健全な発展を推進する。」としています。
 そして事業内容は、人材育成事業として、紙産業中核人材育成講座の実施や、製紙業振興事業として、地元中学生を対象に紙産業に対する職業観の醸成を図ることを目的に、紙ものづくり体験講座を開催すること。また、産学官人的ネットワークの構築や連携促進支援として、紙関連企業や大学、行政のネットワークを活性化するとともに、24年度に開設したインターネットの紙の総合マッチングサイト「四国(しこく)は紙(し)国(こく)」(四国は紙[ペーパー]の国)の運営に積極的に関与することなどを掲げております。
 その他、愛媛県の補助を受け、製紙スラッジ焼却灰の発生抑制や有効利用を促進する為の調査研究をすることや、高年齢者の雇用継続制度改正などについて専門家を招へいし、継続的に勉強会を開催するなど、としています。
 私は、この県紙パ工業会は、これからの紙産業界の生き残りをかけて、文字通り多岐にわたる諸問題に立ち向かっている姿勢が伺える業界団体だと、認識を新たにするとともに、更に言えば、この県紙パ工業会は紙業界の縮図のようなものだと、思うわけでございます。当市は、現在この県紙パ工業会をどのように認識し、年間どの程度の会合を持ち、意見交換等を行っているのか、また今後の連携をどのように強化していくのかを、お伺いいたします。


  次に、大きい二つ目の質問は、保育園の民間移管についてお伺いいたします。
 最初に、これまでの当市の取り組みについて、簡単に振り返ってみますと、平成16年合併の翌年、平成17年の行政改革大綱の中で、民間委託・民営化などアウトソーシングの推進として、全事業、施設の検証からアウトソーシング計画に基づき、「民間にできることは民間へ」の視点に立ち、委託化、民営化等あらゆる可能性を探ることとされ、翌平成18年3月に、集中改革プランのなかで、時代に即応した組織・機構等の見直しとして、保育園への民間活力の導入による子育て環境の充実を図ることとされました。
 その後、保育所のあり方検討委員会の設置や、庁内委員会の設置を経てタウンコメントの募集などを行い、平成20年12月には、「四国中央市公立保育所民営化基本指針」なるものができましたが、この基本指針によりますと、当面は平成22年度から24年度の3カ年にわたり、民営化を実施することとし、平成25年度以降の民営化については、この指針を尊重しつつ具体的計画を再検討する事としました。
 そして皆さんご案内のとおり、平成22年4月に東保育園、平成23年4月に妻鳥保育所の民営化が実施されてきたところです。
 ところが平成24年4月に行われる予定の3っつ目の保育園民営化が実現されないままで、今日を迎えております。当初、平成20年12月に決定した「四国中央市公立保育所民営化基本指針」によれば、平成22年度は三島地区の東保育園、23年度は川之江地区の妻鳥保育園に続き、平成24年度は土居地区でひとつ保育所の民営化が実施される計画になっていたはずです。
 このことについて実は、保育所民営化選定委員会が、平成24年度民間移管予定園に関しての「選定協議報告書」をまとめ、当時の井原巧市長に提出されているようですが、選定委員会から報告書を受け取った市当局は、その後3園目については何か腰砕けになったような気もいたします。
 そこでお伺いいたします。
まず最初の質問は、土居町エリアでの3園目の民営化が、何故見送られたのか、その理由を詳しくお聞きしたいと思います。また今後土居町エリアでの民間移管の可能性があるのかどうかも併せてお答え下さい。
 次に、これまで民間移管してきた東保育園と妻鳥保育所に対しては、民間移管時の際、色々な条件が付いていたと思います。例えば通常保育以外に以下の事業を積極的に行ってほしいとして、項目@乳児保育A障害児保育B延長保育C一時保育等があり、更には給食も含まれているようです。このような民間移管後の保育サービスは満足の得られるものになっているのか、保護者の声はどうなのか、先行2園の移管後の市当局の評価をお聞きしたいと思います。
 三つ目として、平成25年度以降の保育園民営化をどのように考えるかをお聞きします。平成20年12月に策定された「四国中央市公立保育所民営化基本指針」は、平成22年度から24年度にかけて3っつの公立保育所を民営化し、平成25年度以降は、この指針を尊重しつつ具体的計画を再検討することとしています。市内16保育所の今後の民営化について、お伺いいたします。
 最後に、「子ども・子育て支援新制度」について、お伺いいたします。
この制度は、平成24年8月に、国の方で成立した三つの法律、つまり「子ども・子育て支援法」と「認定こども園法の一部改正法」と「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の、いわゆる子ども・子育て関連3法に基づく制度のことと理解しておりますが、この新制度のねらいと、今後どのようなプロセスをたどり、いつからスタートするのかを、まずお伺いしたいと思います。
 次に、この新制度での認定こども園や幼稚園、保育所等の申し込み等利用方法はどのようになるのか。
また利用者の負担(利用料金)はどうなるのか、これまでと変更になる点はあるのでしょうか、お伺いいたします。
 最後に、この「子ども・子育て支援新制度」ができることで、当市の公立保育所の民間移管方針に影響があるのかどうか、もしあるとすればどのような点が挙げられるのか、お伺いいたします。
 以上で私の一回目の質問を終わります。適切なるご答弁を、どうかよろしくお願い致します。
有難うございました。






再質問  紙産業


 市長、ご答弁有難うございます。
市長の紙に対する思いも良く分かりました。
 先程のご答弁で、紙産業発展のカギとして二つの要素が考えられる、と言うお答だったと思うのですが、茶葉を抄き込むなどの「製紙技術の向上」や、「紙加工分野の発展」が大事だと。私もその通りだと思うんですね。
 実は私は今回、紙産業を質問のテーマに決めてから、現場のお話を伺おうと、県紙パ工業会の事務局長さんや、何社かの製紙会社の社長さんにお会いし、お話を聞くことができました。
 そのお話の中で、本当に貴重なご意見、ご要望を伺うことができました。
 ひとつは、市の関係部局と高松にある四国経済産業局との間で、是非人事交流をしてほしいというものでした。そうすることにより、国の政策や動きの情報が入ったり、人脈ができることにより国とのコミュニケーションパイプが強く太くなると言うメリットが生まれてくるでしょう。このことに付いては、愛媛県下でも現在、新居浜市や西条市が人事交流をしているやに聞いております。この際、他市はどのような交流をしているのか、その状況の説明をして頂きたいのと、当市でもこの人事交流が可能かどうか、是非進めていけたら良いのではないかと思われますが、いかでしょうか!

 二つ目は、製紙会社の社長さんから、本当に切実な大きい問題として指摘されましたのは、用途地域指定の問題です。
今年度、ちょうどその見直し作業が行われているようにお聞きしておりますが、製紙企業がその地域で根を下ろし発展していこうとした時に、現在の用途地域指定が足かせ手かせになっているのだと。地元地域の雇用を守るためにも、そう遠く離れた所には移設はしたくない。そうかと言って、現在地での建て替えが困難だとすれば、建物・設備等が老朽化していくのみで、衰退していくのみだ、ともおっしゃっておりました。
 丁度、今回の都市計画審議会の用途地域見直し方針(案)には、「住宅地と工業地の融和」と言う見直しの視点が挙げられておるようですが、これはもう是非ですね、住む人との調和を考えた形の「特別用途地区」の指定などを取り入れるべきだと思うのですが、如何でしょうか。そのような方向性で、是非用途地域指定の見直しをする、と言うことでお願いしたいと思いますが、ご答弁お願い致します。

 あと3点目は、当市は紙のまちなんですから、当市の機構部署の中に、「紙」専門の担当窓口があれば良いですね。例えば他市の例として、八幡浜市では、商工観光課内に「ちゃんぽん係」があります。
黒豆で有名な丹波篠山市では農(のう)都(と)政策課(せいさくか)に「黒豆係」、青森県弘前市には「りんご課」があります。又静岡県富士吉田市には「富士山課」があるのには驚きました。
 当市においても、本気で「紙のまち」と言うのなら、産業支援課に「紙産業係」または、「紙のまち係」、あるいはずばり「紙係(かみがかり)」と言うのは如何でしょうか?!





再々質問 紙産業


 ご答弁、有難うございました。
今回は、とことん紙のまちにこだわってみたのですが、この際あと2点ほど申し上げます。
 
 ひとつ目は、現在当市のHPのトップ画面をあけてみても、「紙」、あるいは「紙のまち」へようこそ!のロゴが見当たらないんですね。是非ですね、「紙のまち・四国中央市へようこそ!」と言う歓迎のロゴが欲しいですね。
 
 もうひとつは、三島川之江ICから出てきたところに、「ようこそ!紙のまち・四国中央市へ」と書いた、大きい立て看板を設置することもやったら良いのではないでしょうか!
 以上、宜しくお願い致します。





再質問 保育園民間移管について


 先程のご答弁では、篠原知子・子育て支援担当部長さん、有難うございました。子育ての分野は、やっぱり女性担当が良いですよね。篠原部長さんは、特に適材だと思います。国の方でも今、第2次安倍内閣の子育て支援担当大臣は女性の、森まさこさんですよね。でも絶対負けてないと思います。頑張ってください!
 その篠原知子・子育て支援担当部長さんに、再質問させて頂きます。ここに資料として頂いた「愛媛県下の市町別認可保育所数の一覧表」がございます。
 この一覧表を見ますと、各自治体の保育所のうち、公立と私立の割合が良く分かります。
当市は、全22保育所の内、私立が8ですので、民営化率36%という事になります。これに対して、主なところで、新居浜市は全26保育所の内16が私立で、民営化率61.5%。西条市は全30保育所の内19が私立で、民営化率63%。松山市では全66保育所の内39が私立で、民営化率59%という状況です。
この3市の民営化率が高いのは、何か理由があるのでしょうか。今回当市は、2園を民間移管して、やっと36%と言うことですが、それで終っているわけです。私は、先程篠原知子部長さんからご答弁がございましたように、これまでの民間移管先行2園が大変満足のいくものであるならば、引き続き当市の残り14保育園を順次民営化していくことが、良いのではないかと、単純に思ってしまうんですね。
 今後は、今議会に上程されている「子ども・子育て会議条例」が施行されれば、今後の民営化については、この「子ども・子育て会議」を中心に再検討すると言う事のようですが、これからも民間移管を進めていくのかどうか、再度お伺いいたします。
 





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