2020年(令和2年)3月市議会 代表質問
新風会代表 吉田善三郎
皆さん、おはようございます。議席番号14番、新風会・吉田善三郎です。新風会を代表して質問をさせていただきます。
まず最初に、先ほどは理事者から、新型コロナウイルスについての発言がありました。
当市におきましても、安倍総理からの要請を受けて、明日4日から、小中学校、高校、特別支援学校の休校を決めていますが、これは、「子どもたちの健康、安全を第一に考えてのこと」ですから、しっかりと対応する必要があります。
そんな中、3月1日には、愛媛県内でも初の感染者が出たという事で、一層の緊張感と万全の対応策が求められるところですが、当市では、篠原市長がいち早く、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、万全の形を整えているようです。
今後、休校中の学習や卒業式等行事など教育現場での課題や、生活環境の変化での混乱が起きないように、私たち市議会も、大いに協力して参りますので、適切な対応をお願いしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の一日も早い、終息を祈念し、質問に入らさせて頂きます。
1まず最初の質問は、令和2年度の当初予算編成方針についてです。
篠原市長は就任以来、これまで懸案の諸課題に対し思い切った攻めのまちづくりを進められてきました。新庁舎や市民文化ホール、川之江地区まちづくり事業、津根工業団地など、ここ数年、その成果が相次いで実を結んでおられますことは大変喜ばしいことと思っております。
数々の中核施設やインフラが整備され、市政や文化、産業、防災の拠点として未来に引き継がれる市民共有の財産が数多く生まれたことは、今後のまちづくりの推進にも大きな効果をもたらすものと確信しており、我が会派としても高く評価させていただいているところでございます。
さて、そこで篠原市政2期目の最終年度となる令和2年度の予算ですが、予算規模は主要事業が完了したことで、過去最大となった前年度から54憶円余り縮小し約355憶円と、本市としては平均的と言える予算規模となったようでございます。
今回の予算を財政面から見てみますと、前々から言われておりましたように合併市として恩恵を受けてきた交付税の合併算定替えが終了し令和2年度からは一本算定になるのに加えて、もう一つの優遇措置である合併特例債もほぼ使い切った形となり、これらの優遇措置を享受できない中での厳しい予算編成だったのではないでしょうか。つまり令和2年度は本市を取り巻く財政環境がこれまでの過去16年間とは根本的に異なる「フェーズ」、すなわち新しい段階に移行する転換点となる年であると私は認識しております。
そこで、まず、1点目の質問として、そうした厳しい財政状況下においての予算編成ということで大変苦慮されたこととは存じますが、令和という新時代を迎えて初めて編成された当初予算について、その編成方針の基本的な考え方と目指すところ、そして具体的にどのような施策に重点を置かれたのかをお示し下さい。
次に、今回の予算案を概観いたしますと、厳しい財政状況を反映して、財源不足に対応する為に財源対策として財政調整基金から7憶円の取り崩しを計上されております。これは前年度予算の6億5千万円の取り崩しを上回る規模となっており、財政が新たな段階に移行し、交付税や市税の大幅な減収が進む中で、厳しい財政運営を強いられていることを象徴的に示している点だと思われます。
又、昨年11月に示された本市の「財政の中期見通し」によりますと、現状のままでは大幅な収支不足が継続的に発生し、その補填に財政調整基金の取り崩しを余儀なくされ、その結果、3年後の令和5年度には財政調整基金の残高が38憶円と現在の6割程度という大変厳しい見通しも示されておりましたが、2点目の質問として、こうした財政調整基金に対する認識と残高維持についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、3点目の質問として、財政調整基金ともう一つの財源対策である市債の活用についてであります。令和2年度は、新庁舎や市民文化ホールといった主要事業の完了により、市債の発行額は25憶8千万円と前年度の73憶8千万円から48億円の大幅な減額となっておりますが、一方で返済する公債費は2億2千万円の増、市債残高も過去最高となる641憶円に達するなど財政負担の増大が危惧されるところとなっております。
こうした状況のもとで、私が大切だと思うのが「プライマリーバランス」の視点を重視することであります。「プライマリーバランス」という言葉は、国の予算などでよく聞かれるものですが日本語に訳しますと「基礎的財政収支」と言われるものでして、公債費以外の歳出を市債以外の歳入で賄えているかどうか、つまり市の会計が借金に頼らずに税収などできちんと賄えているかを示したもので、財政の健全性の目安として重要な指標と言われております。令和2年度で申しますと、歳出総額の355憶円から公債費51憶円を引いた額が304憶円で、歳入総額の355億円から市債の26憶円を引いた額が329億円ですので、差し引きしますと「プライマリーバランス」は25憶円の黒字となっております。元年度ですとこれが、逆に25憶円の赤字となっていたようで、「プライマリーバランス」が赤字ですと公債費以外の歳出を市債の発行で賄わなければならず、市債残高も増え続けることとなり、将来世代に負担を先送りしている状態となってしまいます。従って、私は「プライマリーバランスン」の黒字を確保することを常に意識しながら、市債発行を抑制し市債残高の縮減を図ることが、健全財政への近道であり要諦ではないかと思うわけでございます。そこで、「プライマリーバランス」が黒字化した令和2年度以降の市債の発行と残高抑制について、どのような方針で臨もうと考えているのかをお聞かせいただきたいと思います。又、併せて合併特例債も発行限度額の422憶円に対し近づいているようでありますが、その現状と残額の活用方針についてもお示しください。
次に、4点目の質問として、先ほども申し上げたように令和2年度の予算編成は大変ご苦労をされたと思いますが、本市を取り巻く財政環境が大きく変わる中で将来に向けての持続可能な財政基盤の構築のためには、当初予算の編成に引き続いて、今後、新年度における補正予算の編成など財政運営に対しても改善や工夫が必要と考えますが、どのような方針や姿勢で臨まれようとしているのかお聞かせ願いたいと思います。
2次に、大きい項目の二つ目、地域医療についてお伺いいたします。
近年の少子高齢化の急速な進展は、疾病構造の変化や保健、医療ニーズの多様化をもたらすなど、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。
医療は私たちの健康や命を守るセーフティネットであり、住み慣れた地域で安心して良質な医療を受けられることは私たちの願いでもありますが、医療従事者の偏在は、救急医療を始めとする地域に不可欠な医療の確保を困難にしています。更に2025年には団塊の世代が後期高齢者になることから、慢性疾患等を中心に医療需要は増大することが予想され、将来に向けた医療提供体制の構築は地方にとって重要な課題となっております。
愛媛県は、平成28年に、将来あるべき医療提供体制の姿を描いた地域医療構想を策定し、調整会議等の定期的な開催を通じて情報共有や施策の見直しを行っておりますが、この中でも、宇摩構想区域は、「医療資源が脆弱であり、中小規模の病院が林立し、専門医療に幅広く対応できる総合病院がないことから、新居浜地区や香川県の三豊地区への患者の流出が続いている」と謳われております。宇摩医療圏は県内6っつの医療圏では、面積、人口ともに最小で「医療従事者の割合は県や全国の平均を大きく下回っており、地域医療を支える人的資源が他の構想区域に比べ非常に乏しいため、地域医療衰退の危機に瀕している」とも記されています。夜間救急センターや休日当番を担っていただいている地域の有志の先生方の高齢化も進んでおり、後継者がなく閉院する先生もおられる等、市民が市内で安心・安全に暮らせる安定的な医療体制の維持、確保を非常に心配しているところであります。
又、医師不足の状況は、2次救急の一角を担っていた県立三島病院の急速な衰退を招き、愛媛県は、新たな中核病院設置のため平成22年に県立三島病院を公立学校共済組合に移譲しますが、ご存じのとおり紆余曲折を経て、漸く、2025年を目途に中核病院の建設を目指すとの言質が得られ、第一候補地を三島医療センターの場所とするとの報告があったのが昨年1月のことであります。その後の状況については、昨年6月議会において私の質問に対して答弁頂きました。
そこでお尋ねしますが、1点目は、当市の一次救急を含む地域医療の現状について、どのような状況下にあるのか、また医師不足や医師の高齢化の問題等についてどのような対策を講じているのか。
2点目は、中核病院建設における現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
3次に、国道11号川之江三島バイパスについてお伺いいたします。
市内を東西に貫通する現国道11号は、全国有数の製紙関連産業が集積した工業地帯を通過する、地域の産業・経済を支える大動脈であると同時に、災害時の緊急輸送道路や日常生活を支える生活道路としての役割もある道路です。
しかしながら、現国道11号は過剰な交通量や大型車の混入、交通事故による渋滞が発生しており、その役割を十分に果たしていない状況となっております。
こうした課題に対応するため、国により全長10.1kmの川之江三島バイパスが計画され、昭和47年度に事業着手して以来、これまでに県道川之江大豊線から西側の6.5kmが一部暫定2車線で開通しています。その結果、部分的には交通混雑の緩和や交通事故減少など一定の効果は出ているものの、抜本的な交通混雑の解消には至っておらず、一日も早い全線開通が望まれているところです。
そのような中、昨年度にはバイパスの一部ルート変更などを含む都市計画変更に関する説明会も開催され、これまで以上に市民の関心も高まっております。
そこでまず一点目の質問でございますが、市民の皆さんや市内の企業、とりわけバイパスの延伸ルートにかかる地権者や沿線となる住民にとっては、道路にかかる用地買収や残り区間の開通がいつ頃になるのか関心があるところです。
「バイパス事業の現在の状況と今後の予定がどのようになっているのかについて」お伺いします。
次に、国道11号バイパスの事業者は国ですが、地元の市としても事業促進のために取り組んでいることがあろうかと思います。そこで二点目といたしまして、「早期の延伸に向けて市がどのような取り組みを行っていくのか」をお伺いします。
④次に、三島川之江港の整備についてお伺い致します。
国の重要港湾に指定されております三島川之江港は、水を供給するダムとともに本市の基幹産業である製紙及び紙関連産業を支える、非常に重要な社会資本であります。先人たちの先見性と労苦により築き上げられたものであり、本港を取り巻く経済活動が市民の生活基盤を支え、市政の発展にも貢献してきたことは皆さまご存じの通りでございます。
一方で、昨年4月に「働き方改革法」の施行が順次始まるなど、産業界全体で業務の効率化を推し進める中、めざましい進展を見せるICT技術は、今後、一層推進されていくことは確実であり、製紙及び紙関連産業を取り巻く環境は次第に厳しくなっております。そのような状況の中、2017年の市町村別パルプ・紙・紙加工品の製造品出荷額は、四国中央市が市町村合併した2004年以降、14年連続1位となっており、その額も直近の10年間では昨年に次いで2番目に多い額でありました。
新聞用紙や印刷・情報用紙等の需要は減少傾向にありますが、高品質である日本製の家庭紙や紙おむつは、依然として世界的にも需要があり、更には、国内でも保湿や消臭機能がある高付加価値品の家庭紙市場が好調であるなど、地元企業は一層の競争力強化を目指し、新たな設備投資などを計画されているとお伺いします。
このような地域経済や、少子高齢化と人口減少に伴う労働力不足などの社会情勢などの動向に対し、物流の効率化に大きな影響を及ぼす港湾の役割はますます大きくなり、本市の港にも、これまで以上の機能強化が求められていくのではないかと考えております。
そこで改めて三島川之江港のあるべき姿を確認させて頂く意味からも、質問させて頂きます。
一点目ですが、昨年、急増するコンテナ取扱量に対応するため、以前より重要施策として要望しておりました金子地区国際物流ターミナルへのガントリークレーンの整備が、愛媛県の令和元年度の補助事業として採択されました。現在、ターミナルへの設置に向け鋭意作業が進められているとお伺いしておりますが、本クレーンの整備がもたらす効果と整備の進捗状況についてお答え下さい。
次に、二点目でございますが、冒頭で述べましたとおり、深刻な労働力不足が懸念される社会情勢の中、三島川之江港では輸送効率が高く、ドライバーの労働環境改善にも寄与するRORO船が村松地区において定期就航し、モーダルシフトへも貢献しているところでございます。一方で、そのRORO船が取り扱う貨物やコンテナといったユニットロード貨物を取り扱うものとして、港湾計画では金子地区に推進9m岸壁と背後ふ頭用地が計画されております。市では、これを大規模災害発生時にも機能する複合一貫輸送ターミナルの整備として、以前より重要施策とし、国、県に対して要望を行っているとお伺いしておりますが、その後の進展や現在の状況について、お答えください。
⑤次に、城山下臨海土地造成事業について、お伺いいたします。
製紙業を基幹産業とする本市においては、平野部が狭小であることから、臨海部の埋め立てによる工業用地の確保や住環境の整備を行ってきたことは、皆さんご案内のとおりでございます。
城山下臨海土地造成事業については、旧川之江市において「住工分離のための移転用地確保」や「臨海道路の整備」等を目的として計画され、平成5年頃に事業の実施に向けて国・県・市で調整を図ったものの諸問題により、事業を断念した経緯があったとお伺いしております。
その後、20年余りの歳月を経て、平成29年3月に川之江町広域防災推進同意者から、南海トラフ巨大地震等に対する強靭化対策として、港湾計画の早期推進を求める「川之江町沿岸部の水防対策と港湾計画の早期実現の要望書」が提出され、同年6月には川之江地区住民と市議会議員の皆様の本要望に同意する署名が提出されたことは記憶に新しいところでございます。
市は、その要望書を真摯に受け取り、城山下臨海土地造成事業の再検討を開始し、当埋立事業の主要な課題である「川之江漁港の廃止」と「埋立地の土地需要」について関係機関等と協議・調査を開始したと平成30年12月議会の一般質問において市長自らご答弁なされました。
私も、この事業が実現すれば「住工混在」「企業流出の抑制」はもとより、前述の要望書にもございますとおり、川之江沿岸部の防災・減災対策の面からも大きな効果が期待できると考えております。
そこで、今後の城山下埋立事業の見通しについて、何点か質問させて頂きたいと思います。
まず一点目は、城山下臨海土地造成事業の必要性についてお尋ねいたします。埋め立ての目的が「住工分離のための移転用地確保」と「臨海道路の整備」ということは過去の答弁においてお伺いいたしましたが、改めて市内の土地利用の課題と城山下臨海土地造成事業の必要性についてお答えください。
次に二点目でございますが、当事業の土地利用計画についてお尋ねします。市内の土地利用について課題があることは一点目においてお尋ねいたしましたが、それらの諸課題に対し、今回の埋め立て事業において、どのような土地利用計画を策定されているのかお答えください。
最後に三点目と致しまして、事業化に至る経緯と今後の取り組みについてお尋ねいたします。当事業については、先ほど申し上げたとおり、過去平成5年頃に事業実施に向け調整を図ったものの、事業化には至らなかった経緯があると聞き及んでおります。その後、平成29年に地元自治会からの要望等があり、市が再検討を開始したとお伺いしておりますが、平成29年以降の事業進捗状況と今後の取り組みについてお答えください。
⑥次に大きい項目最後のオリンピック関連行事についてお伺いいたします。
今年はオリンピックイヤーであり、大会に向けた準備があらゆるところで急ピッチで進められていることと思います。又、大会に先立ち実施される聖火リレーは、「復興の火」として東日本大震災被災3県で特別展示された後、福島県からスタートし47都道府県の様々な場所を回ります。身近な場所で聖火リレーを見ることで、全国的にも大会に向けた機運が高まっていくのではないでしょうか。愛媛県では高知県から成果が運ばれ、四国中央市が県内のトップを切って4月22日に行われるとのことです。聖火リレーのコンセプトである「希望の道をつなごう」を体現し、地域からも、この一大イベントを大いに盛り上げていければと思います。
そこでお尋ねいたします。3月号の市報では、リレー当日の交通規制などについて掲載されていましたが、具体的な取り組みやイベント内容はどのようなもので、どう盛り上げていくのか、又、オリンピックを活用してスポーツ振興をどのように推進していくのか、お答えください。
以上、ご答弁の程、よろしくお願いいたします。
|